2013年04月27日 14:00 〜 15:00 宴会場(9階)
達増拓也 岩手県知事 記者会見

会見メモ

岩手県の達増拓也知事が、「復興の加速のために~現場からの提案~」と題して、話した。岩手県の人的被害の状況(13年4月10日現在)は、死者4,673人、行方不明者1,151人、仮設住宅で避難生活を続けている人は約38,000人おり、今なお非常時であると述べた。

復興での障壁を突破するために国が行うべきは、大震災復興特例ともいうような大きな「改革」とオールジャパン的な「国家プロジェクト」として復興を推進していくことにある、とした。クラブのゲストブックには、「地元の底力+様々なつながりの力=復興の力」と記した。

司会 中井良則 日本記者クラブ専務理事・事務局長

岩手県のウェブサイト

http://www.pref.iwate.jp/

達増知事が大震災後の2011.6.2に会見した際のページはこちら。

http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/06/r00022766/


会見リポート

今なお非常時 復興加速へ土地利用手続きが最大の課題

金野訓子 (岩手日報東京支社編集部)

「復興の加速のために~現場からの提案」と題してスピーチした。復興加速の「障壁」となっている主な課題を挙げ「国が行うべきは改革」と注文した。
「現場の最大の課題」に土地利用手続きの長期化がある。「一人の相続手続きが進まないことで、何千人の方が何カ月、何年と仮設住宅暮らしの長期化に迫られる」との言葉は切実で、市町村が管理権限を持つ制度創設や法改正を訴えた。
マンパワー不足については、これまで国の誘導なく自治体の自主的な判断で職員派遣を行ってきた日本の取り組みと、大規模な職員展開で政府機関が主体的に被災者支援に取り組む米国の「連邦緊急事態管理庁(FEMA)」を比較して「日本では支援の窓口は市町村だが、政府が直接的に被災者支援に乗り出すことも必要」と提案した。
岩手県では地元の各業界団体が復興について協議し、前を向いて歩を進めてきた。知事の言葉からは「地元の底力」に自信がみなぎる。
しかし、支援のつながりがあってこその復興。「経団連や経済同友会、建設関係、スポーツ界なども含めて、政府が司令塔になってもっともっとオールジャパンの力をコーディネートしてもいいのでは」と復興庁のあるべき姿を語る。
近ごろの国政の動きについては苦言を呈した。「地域資源を最大限活用する内需拡大型の構造改革の考え方が復興の基本。TPP(環太平洋経済連携協定)は復興に逆行する」、推進基本法案の提出が予定される道州制は「復興に関してはうまくいくイメージがまったく湧かない」、アベノミクスは「あり余るお金を復興が加速するような投資などに使ってほしい」。
震災から3年目を迎え「今なお非常時」の被災地の声が会場に重く響いた。

ゲスト / Guest

  • 達増拓也 / Tasso Takuya

    日本 / Japan

    岩手県知事 / Governor of Iwate prefecture

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