2024年05月15日 13:30 〜 15:00 10階ホール
「2024 米大統領選」(6) 渡部恒雄・笹川平和財団上席フェロー

会見メモ

外交安全保障政策、米国の政治外交などを専門とする笹川平和財団上席フェローの渡部恒雄さんが、民主・共和両党の予備選が示唆すること、トランプ、バイデンの両候補の弱点、トランプ氏が大統領に復帰した場合(「もしトラ」)に想定される外政、内政への影響などについて話した。

 

司会 大内佐紀 日本記者クラブ企画委員(読売新聞社)


会見リポート

日本の「プランAプラス」を

小竹 洋之 (日本経済新聞社コメンテーター)

 「米国の敵は米国」――。米調査会社ユーラシア・グループが2024年の世界10大リスクのトップに挙げたのは、覇権国・米国の自壊だった。その危機が決定的になりかねない11月の大統領選が迫る。

 民主主義や国際主義の一線を守るバイデン現大統領か。それとも強権主義や孤立主義に走るトランプ前大統領か。両氏の再対決は接戦を免れない。トランプ氏が足元の世論調査で優位に立っていても、勝利がほぼ確実(ほぼトラ)と断じるのは早いと、渡部氏は話していた。

 民主党のバイデン氏は中東緊迫やインフレへの対応でつまずき、若者や少数派に幻滅が広がる。かたや共和党のトランプ氏は、反トランプ派の強い抵抗に遭う。分断を深める自党を束ねながら、無党派層も取り込めるのか。両氏とも同じ課題に向き合わざるを得ないという。

 もちろん、もしトランプ氏が勝てば(もしトラ)という問いへの備えは欠かせない。とりわけ大統領の権限を行使し、自身に対する刑事や民事の訴追を無効化したいのではないかと、渡部氏は指摘する。

 そして、ディール重視の外交・安保政策である。自身の利益や功績を最優先し、日本や欧州などの同盟国が望まない譲歩を繰り返す形で、ウクライナ戦争の停戦、中国との緊張緩和、北朝鮮との非核化交渉の進展を演出しかねないとみる。

 そんな米国に日本はどう向き合うのか。トランプ氏が大統領に返り咲いても、日米同盟を基軸とする「プランA」から、全く別の「プランB」に乗り換えられるわけではない。世界の平和と安定に向け、日本を含む同盟国が米国と責任をより分担するような「プランAプラス」の戦略を探れというのが結論だ。

 程度の違いこそあれ、バイデン氏にも自国第一の姿勢は残る。大統領選の結果にかかわらず、プランAプラスの戦略を練るべきだろう。


ゲスト / Guest

  • 渡部恒雄 / Tsuneo WATANABE

    笹川平和財団上席フェロー / Senior Fellow, The Sasakawa Peace Foundation

研究テーマ:2024 米大統領選

研究会回数:6

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