2013年04月03日 13:30 〜 14:30 10階ホール
下村博文 文部科学相 記者会見

会見メモ

教育再生について、下村博文・文部科学相が会見で語り、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員 和田圭(フジテレビ)


会見リポート

教育立国へ「目的税」創設を

泉 宏 (企画委員 時事通信出身)

第2次安倍晋三内閣の政策課題の2本柱は「経済」と「教育」の再生。アベノミクスで経済再生が順調に進む中、首相は教育再生にも強い意欲を示す。その先兵役が下村博文文部科学相だ。自民党文教族リーダーの1人として「満を持して」の初入閣。年初に始動させた教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大学総長)はまず、当面の課題である学校現場での「いじめ対策と体罰防止」に関する提言を提出。続いて、さまざまな問題点を抱える「教育委員会制度」見直しの論議を進めている。前者は今国会で、後者も来年の通常国会での関連法改正を目指す方針だ。
下村氏の念願は「21世紀の新たな教育制度をつくる」こと。「戦後の日本の教育制度は今までは成功だった。しかし、これからは一人ひとりの創造力を育てる制度に変えなければ日本は生きてゆけない」との考えから、最重要課題は「大学教育の質と量を高めること」だと指摘する。
大目標は成長戦略にも直結する「第2期教育振興計画」の策定。その中軸となる「大学改革」として①入試の在り方の抜本見直し②社会との連携での「学び直し」の促進③世界トップレベルの教育・研究拠点の形成─などを挙げた。
もちろん、新たな「教育立国」政策実現には公的支援拡充が必要。下村氏は「日本の教育関係費は対GDP比で3・8%だが、OECD(経済協力開発機構)各国の平均は5・8%。まずこのギャップを埋めなければならない」と力説。そのためには約10兆円が必要だが、下村氏は財源確保のための「教育目的税」創設を〝大臣私案〟として提起する考えだ。
幼い頃、父親を交通事故で亡くし、交通遺児育英会の交通遺児奨学生1期生として早大に進学し、学習塾を経営しながら中央政界に進出した苦労人。揮ごうは座右の銘で「意志あるところに必ず道あり」。

ゲスト / Guest

  • 下村博文 / Shimomura Hakubun

    日本 / Japan

    文部科学相 / Minister, The Ministry of Education,Culture,Sports,Science & Technology in Japan

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