2013年02月13日 14:00 〜 15:15 10階ホール
加藤紘一 元自民党幹事長 記者会見

会見メモ

1月末に村山元首相らと訪中した、加藤紘一・元自民党幹事長が、今後の日中関係などについて話し、記者の質問に答えた。

司会 日本記者クラブ企画委員 倉重篤郎(毎日新聞)

加藤紘一氏のウェブサイト

http://www.katokoichi.org/


会見リポート

関係改善へ 中国ウオッチ半世紀 ベテラン政治家の視座

倉重 篤郎 (企画委員 毎日新聞論説委員長)

 さすがに半世紀近く(外務官僚7年、衆院議員40年)日中関係をウオッチしてきたベテラン政治家。自民党リベラル派の最後の良識として、この困難な両国関係について様々な楽観的視点を提供してくれた。

 まずは、加藤氏が同行した1月下旬の村山(富市元首相)訪中団について、・昨年11月段階で中国側からオファーがあった・訪中の模様が中国版NHKであるCCTVで好意的に実況中継された・尖閣地域のエネルギー資源的価値は相対的に低下している・中国側から関係改善に向けた努力が感じられた・ここしばらくは政府間でぶつかりあったまま民間交流の側からほぐしていこうという展開になるのではないか、との見解を明らかにした。

 加藤氏は「最近の日中関係は、悪い方、悪い方に提灯がついているようなもの」と株の相場用語を使って表現、民主党政権になってからの2010年9月の漁船衝突事件の処理、昨年9月のウラジオストクでの日中首脳会談の失敗など、日本外交が中国側の面子をつぶす形で、関係悪化の悪循環がいたずらに連鎖している、との見方を示した。

 加藤氏はレーダー照射事件については、こういった事案は日中両国の軍の最前線同士で連絡を取り合っている可能性がある、として、事態を深刻化させるべきではない、との考えも示した。安倍政権について「中国側の評価は意外に高い。第一次政権の際と同様、今回も政策転換してくれると期待、慰安婦問題に関する河野談話をどう扱うかに注目している」と述べた。

 また、「中国はかつての科挙のように秀才官僚国家になりつつある。その典型が李克強氏だ」「中国の首脳部はポスト製造業の国家運営のビジョンを模索しており、日本からその知恵を得たがっている」などの知見を披歴してくれた。


ゲスト / Guest

  • 加藤紘一 / Koichi Kato

    日本 / Japan

    元自民党幹事長 / Former Secretary general of LDP

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