2012年04月21日 15:15 〜 16:00 宴会場(9階)
ズン ベトナム首相 記者会見

会見メモ

第4回日本・メコン地域諸国首脳会議に出席のため来日した、ベトナムのズン首相が、ベトナム経済や日本とベトナムの関係について話し、記者の質問にこたえた。


司会 中井良則 日本記者クラブ専務理事

通訳 グエン・サウ(ベトナム外務省北東アジア局日本課専門官)


ベトナム大使館

http://www.mofa.gov.vn/vnemb.jp/


会見リポート

日本重視をしたたかに語る

柴田 直治 (朝日新聞国際報道部)

5年の歳月を感じさせない顔のつや、自信満々の受け答えだった。


ベトナムのグエン・タン・ズン首相を間近に見るのは、2007年の東南アジア諸国連合首脳会議が開かれたフィリピン・セブ島で単独会見したとき以来だ。


この間、ベトナムの経済成長は予想されたほど順調とはいえなかった。通貨安やインフレで国民の不満は高まり、内政にも責任を持つ首相への批判も少なくなかった。

それでもズン首相は昨年の党大会で再選され、2006年からの10年にわたり、内政外交の舵取りを担うことになった。


ベトナム共産党の内部抗争は、中国にも劣らぬ激しさとされる。国家運営の要となる他のふたつのポスト、共産党書記長と国家主席が交代するなか、留任を勝ち取った首相のしたたかさには定評がある。


ベトナムで首脳がメディアと質疑を交わす機会はきわめてまれだ。ズン首相も国内ではほとんど記者会見に応じない。なのに日本記者クラブでは2度目の会見である。来日も頻繁で、日本重視は明らかだ。日本の官民の資金重視と言ってもいい。


日越関係に絞った30分ほどのスピーチで、首相はインフラ整備に対する日本政府の支援を期待すると強調し、日本企業にはビジネスチャンスだと呼びかけた。


質問を許されたのは3人だけだった。日本からの原発輸入▽環太平洋経済連携協定(TPP)と日越経済連携協定▽中国などと領有権を争う南シナ海問題についてだった。


日本の原発技術を信頼し、TPP参加を歓迎。南シナ海は国際法の原則に則って解決するべき──。


答えはいずれも予想される範囲だったが、日本との交渉で要求の多くを通してきた、そのしたたかさを表情から観察し、肉声で確認する貴重な機会となった。



ゲスト / Guest

  • グエン・タン・ズン / Nguyen Tan Dung

    ベトナム / Viet Nam

    首相 / Prime Minister

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