2010年01月25日 00:00 〜 00:00
長有紀枝・ジャパン・プラットフォーム代表理事/木山啓子・国際協力NGO・JEN事務局長


会見リポート

7つのNGOがハイチへ

百瀬 和元 (朝日新聞出身)

いま首都ポルトー・プランス周辺で世界各国の約140の組織が地震被災者の救援にあたっている。その中で日本の7つのNGOが活動を開始したことを聞き、ホッとした。

ジャパン・プラットフォーム(JPF)は自然災害、紛争の犠牲者支援に即応したいと10年前に発足した。政府、経済界、労働界、民間財団などが資金などを支え、NGOが世界各地で人道支援を実施する基盤だ。現在32のNGOが加わっている。

「ハイチは日本から遠い国。これまで日本NGOの活動はほとんどなかった」。なじみの薄い国での活動について、JPFの長さん(左)は語った。資金集めの問題もあり、「10年前なら日本NGOは出動できなかったかもしれない」。だが、今回は違った。地震発生から1日後には「出動」が決まった。

JENの木山さんは現地に飛んだスタッフからの生々しい報告を紹介した。「あるNGOは負傷者の手足切断などの手術を毎日35件続けている」「首都から50キロの町では食糧などの支援がまったく届いていない」「多くの人が小麦粉を水で溶くだけの食事を強いられている」

現地時間12日(日本時間13日)に発生した大地震の死者は、2週間後のこの原稿執筆時で、すでに15万人を超えた。家を失った人は150万人、被災者は300万人と推定されている。

「復興には時間がかかる。出動したものの、どこまでやれるのか。救援物資を配って終わりではいけないから」。論議は現地の治安への懸念などから支援の今後にも及んだ。「私たちの活動には幅広い社会からの継続した支援が不可欠。そのためにはメディアの息の長い報道が欠かせない」と2人は訴えた。


ゲスト / Guest

  • 長有紀枝 / Yukie OSA

    日本 / Japan

    ジャパン・プラットフォーム代表理事

  • 木山啓子 / Keiko KIYAMA

    日本 / Japan

    国際協力NGO・JEN事務局長

研究テーマ:ハイチ大地震と緊急支援

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