2008年02月05日 00:00 〜 00:00
近藤正晃ジェームス・日本医療政策機構副代表理事「HIV/エイズ」28

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会見リポート

国際保健協力─内外認識ギャップ

宮田 一雄 (産経新聞編集局編集委員)

今年のダボス会議では、7月の北海道洞爺湖サミットの議長国・日本から7年ぶりに首相が参加してスピーチを行った。会議の場に居合わせた近藤さんによると、福田首相のスピーチは、(1)国際的な金融危機への対応、(2)気候変動対策、(3)開発とアフリカ支援、の3テーマをほぼ3等分するかたちで取り上げていた。

開発・アフリカの部分で、首相が真っ先に国際保健協力推進に言及したことに注目したという。サミットの議題として国際保健を重視する姿勢を示したことになるからだ。

ところが、日本国内の報道は7、8割が気候変動で占められ、開発分野についてはほとんどとりあげられていない。途上国の貧困を克服するには保健基盤の強化が必要だという国際的な議論の動向と国内の認識のギャップが気になるところだ。

「国際的にはすでに、なぜ国際保健協力なのかという議論は終わり、どこに焦点を当て、どうやって取り組むかという話に進んでいる。ところが日本では、なぜ取り組むのか、どうしてアフリカ支援なんだという議論をしないと話が進まない」

8年前の九州沖縄サミットでは、途上国の感染症対策支援に対する新たな追加的資金の必要性を日本が呼びかけ、それが世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の創設につながった。この点の評価はいまも国際的に高いのに「国内の雰囲気が現状のままだと、日本は今後、先導役を果たすどころか、フォロワーとしても頼りないということになってしまう」と話す。

5月には横浜で第4回アフリカ開発会議(TICADⅣ)も開催される。そのTICADとサミットに向け、2月に東京で開かれた「グローバル・ヘルス・サミット」という会議の事務局長も務め、会見ではその会議の概要も説明した。


ゲスト / Guest

  • 近藤正晃ジェームス / Masaakira-James KONDO

    日本 / Japan

    日本医療政策機構副代表理事 / Vice President, Director, Health and Global Policy Institute

研究テーマ:HIV/エイズ

研究会回数:28

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