2007年10月19日 00:00 〜 00:00
稲場雅紀・アフリカ日本協議会国際保健部門ディレクター「HIV/エイズ」25

会見リポート

洞爺湖でも感染症対策は重要課題

宮田 一雄 (産経新聞編集委員)

来年7月の北海道・洞爺湖サミットでは、感染症対策が重要課題になります。

こう言うと、「まさか」と怪訝な顔をする人が多い。そこでアフリカ日本協議会でNGOの立場から国際感染症対策に取り組んでいる稲場雅紀さんにご登場願った。世界の3大感染症と闘うための世界エイズ・結核・マラリア対策基金や国連の会合にも出席し、いま日本国内で世界の感染症対策の動向に最も詳しいのが稲場さんだからだ。

3大感染症による年間の死者は計600万人。エイズだけで290万人が亡くなり、原因ウイルスであるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)には毎年430万人が新たに感染している。その多くは働き盛りの年齢層だ。世界は、各国の政治、経済、文化を支える最も活動的な人たちを毎日1万人近くも失っている。

エイズによる死者の大半は途上国の人たちだが、国境を越えて人も物もウイルスも移動する21世紀の世界では、先進国もまた、めぐりめぐって大打撃を受ける。治療薬が普及すれば助かる多数の人が途上国で死んでいく現実を座視することは、先進国の指導者にも許されない。

稲場さんによると、こうした考え方がG8首脳の共通認識になったきっかけは、2000年の九州沖縄サミットで日本が沖縄感染症対策イニシアティブを発表し、各国に感染症対策分野への新たな追加的資金の必要性を呼びかけたことだという。エイズ対策ではそれが予防、治療、支援の普遍的アクセス(必要な人が誰でも利用できる状態)の実現という目標にまで発展している。

沖縄から一巡して再びホスト国になる来年のサミットで、日本は具体的にその目標を実現するためのどんな提案を用意しているのか。この点がいま、地球温暖化対策と並ぶ国際社会の大きな関心事項だという。

ゲスト / Guest

  • 稲場雅紀 / Masaki Inaba

    日本 / Japan

    アフリカ日本協議会国際保健部門ディレクター / Director, AJF

研究テーマ:HIV/エイズ

研究会回数:25

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