会見リポート
2006年11月28日
00:00 〜 00:00
ドナルド・デ・ガニエ・世界HIV陽性者ネットワーク創設者「HIV/エイズ」24
申し込み締め切り
会見リポート
陽性者の声をエイズ政策に反映
宮田 一雄 (産経新聞編集長)
デ・ガニエさんは1986年にエイズと診断され、すでに20年間、HIV陽性者として生きている。89年にモントリオールで開かれた第5回国際エイズ会議では、陽性者として初めて組織委に参加し、閉会式でスピーチを行った。それがきっかけで翌年、世界HIV陽性者ネットワーク(GNP+)が発足している。
エイズの流行の最大の当事者がHIV陽性者であることは、いまなら当然とされているが、当時は国際会議で陽性者が発言するだけでも大変なことだった。デ・ガニエさんは陽性者の声をエイズ政策に反映させ、地球規模のエイズとの闘いを推進してきた功労者の1人である。
94年に横浜で開かれた第10回国際エイズ会議で有力な共催者として会議の成功を支えるなど、日本にもたびたび訪れている。今回は12月1日の世界エイズ・デーに東京で開かれていた第20回日本エイズ学会学術集会で記念講演を行った。
「日本の陽性者は表に出ることを望まない。偏見と差別を恐れ、職を失うことを恐れている。このような状態が続くと、身近な人が感染して初めて現実を知ることになる」
日本の現状にも詳しいだけに、評価は厳しい。カナダとフランスの2つの国籍を持つデ・ガニエさんは感染を知った当時、カナダ放送のプロデューサーだったとも語った。誰もが感染しうること、メディアは持続的に取り組む必要があることを伝えるメッセージでもあった。
ゲスト / Guest
-
ドナルド・デ・ガニエ / Donald deGagne
世界HIV陽性者ネットワーク創設者
研究テーマ:HIV/エイズ
研究会回数:24