ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。


3・11から1カ月(2011年4月) の記事一覧に戻る

特派員たちの東日本大震災(外通9社)2011年4月

◆原子力専門記者が来日(AP通信東京支局長 マルコム・フォスター)

常駐記者25人に10人強が応援に。発生直後は5~6チームが車で岩手、宮城、福島へ入った。原発が今後どうなるか。アメリカの関心は高く、原子力専門記者がきょう来日する。震災以降、私もホテルに泊まり込みが続いている。(3月16日記)

 

 

◆大阪に支局機能を移転(AFP通信東京支局長 ジル・カンピオン)

東京15人、被災地入り15人でカバー。原発は本社から「80キロ圏内」の指示が出ているので東京で取材している。来日中のフランス人の原子力危機管理専門家に毎日連絡をとっている。専門記者は来ていない。支局は3月16日、大阪に暫定的に移転した。被災地の撮影もありカメラマンは東京に残すが、記者は新幹線で取材にくることになる。(3月18日記)

 

 

◆日本経済、原発事故の世界的影響に注視(ロイター通信日本編集局長 関満亜美)

常駐120人に加え日本語ができることと災害取材経験のあることを優先して50人近くを世界中から招集した。車とヘリコプターで被災地入り。一番困ったのはガソリンと線量計。東京から送り、記者が増えるごとに補給した。原発はウィーンのIAEA担当、チェルノブイリ事故の取材経験者、米国のエネルギー担当などが東京と連携してカバー。地震国日本での緊急対応プランはあったが、これだけ甚大なことが重なるとは。これが日本経済をどう変えるのか。金融、企業、政治経済ニュースにも力を注いでいる。(3月31日記)

 

 

◆トップニュース8割が日本発(CNN広報担当 橋田未知子)

地震直後の11日から18日まで、最大9クルーが東京にいた。応援は米国、香港、韓国などから。原発は東京で取材し、専門記者は米国で対応している。地震発生直後の3、4日間は、CNN国際放送のトップニュースの8割が日本発だった。現在は少し落ち着いて7割くらいか。いまは円高などのニュースを含め、東京からの対応にシフトしてきている。(3月18日記)

 

 

◆金融ニュースは香港支局などで(ダウ・ジョーンズ経済通信日本総局長 ジェイコブ・スレシンジャー)

 約30人態勢。日本語ができる元東京特派員に招集をかけ現地入りさせた。東京の経済・金融ニュースは香港とシンガポール支局が肩代わりして対応。原発取材のルール(80キロ圏外など)は決めていないが、現地入りはしていない。専門記者も来日せず、アメリカでカバーしている。(3月18日記)

 

 

◆「FUKUSHIMA」連日トップ(イタル・タス通信東京支局長 ワシリー・ゴロブニン)

常駐4人ですべて対応している。発生直後の3日間は1日100本以上の記事を書いた(普段は15本くらい)。ロシアから150人の救援隊が来日したので仙台、石巻にも行った。発生から2週間たつが、原発ニュースはロシアのメディアでトップ扱いが続いている。「FUKUSHIMA」を知らないロシア人はいないだろう。(3月25日記)

 

 

◆秋田空港に車置き去り帰京(中国中央電視台東京支局長 李衛兵)

常駐3人に香港から6人、バンコクから1人来た。地震直後に車で、途中、福島で取材しながら一般道をひたすら仙台に向かった。到着は翌12日夜。仙台には中国人留学生がたくさんいる。今のところ死亡者はいないが、安否不明の留学生がいる。自家発電で明かりがついているホテルを探し無理を言って電波を借りロビーから送稿した。13日まで一睡もしなかった。その後、岩手で取材して秋田へ。ガソリンが切れて秋田空港に車を残してきた。(3月16日記)

 

 

◆元特派員4人が応援に(韓国中央日報日本支社長兼特派員 金玄基)

元東京特派員の応援4人が12日来日し7人態勢に。宮城へは山形空港からタクシーで入った。記者自身の食事も困ったが、ホテルに泊まれず仙台の総領事に世話になった。原発取材で福島入りした記者はキケンを感じ山形県米沢市に避難して送稿している。(3月16日記)

 ――――

◆クラブレストランでの話(韓国中央日報論説委員・元クラブ会員 盧在賢)

 ソウルから支局の応援に。送稿後、=地震翌日の朝刊社説に「菅首相に在日外国人からの献金問題」を用意していたが、地震・津波に差し替えた。東京からすでに1本社説を送った。見出しは「フォロアーシップ」。日本にはリーダーシップはないが、被災者が一生懸命に頑張り行動をともにする姿に感銘を受けた、という内容。(3月17日)

 

 

◆救援隊の活動も取材(台湾中央通訊東京支局長 張芳明)

応援5人が13日来日した。東京常駐の2人のうち1人が仙台へ、3人が北海道から青森へ入った。台湾人の安否も取材した。14日、仙台入りした救援隊の救護活動も取材。原発ニュースは日本のテレビ報道を見ながらカバーしている。(3月16日記)

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