会見リポート
2024年12月11日
14:30 〜 15:30
10階ホール
斉藤鉄夫・公明党代表 会見
会見メモ
先の衆院選で落選し、代表を辞任した石井啓一代表の後任として11月9日に新代表に就任した。
衆院選の敗因を分析するとともに、今後の党のあり方や新体制の方向性、政治改革などの政策課題に対する党としての立ち位置などについて話した。
就任に際し世代交代に逆行するという声もあった。斉藤鉄夫代表は「若い世代にバトンを渡すことが私の役目」とし、来夏の都議選、参院選に勝利し、(党の)再生の方向性を明確にした上で、できるだけ早くに世代交代する考えを示した。
司会 山下毅 日本記者クラブ企画委員(NHK)
会見リポート
原点との相克 続く連立
竹内 洋一 (東京新聞論説委員)
結党60年の節目に代表を務めるとは、ご本人も想定していなかったのだろう。会見の冒頭、山口那津男元代表と同じ72歳が代表に就任したのは世代交代に逆行するとのメディアの論調に触れ、言い切った。
「その通りだと思います。早く若い世代にバトンを渡したい」
穏やかに批判を受け流す「てっちゃん」流である。ピンチヒッターであることを言い訳にするつもりはないようだ。夏の東京都議選、参院選での勝利なくして「党再生はない」と力を込めた。
衆院選での惨敗は自民党派閥の裏金事件に対する逆風のあおりを受けた面もある。とはいえ、支持母体・創価学会の信者の高齢化という構造問題を抱える中、どう党の危機的状況から脱するのか。会場からの質問は、この点に集中した。
答えは「結党の原点に帰る」に尽きた。税・社会保険料の負担に苦しむ若年層の手取りを増やす政策に特化した国民民主党が躍進したことに言及し「体制や制度のはざまで取り残された方々に焦点を当てる、新しい意味の『大衆とともに』を考えていきたい」と述べた。
選挙戦術に関しても会場からの指摘を次々に認めた。自民党が非公認とした裏金候補への推薦に「反省すべき点はあった」。小選挙区と比例代表の重複立候補を認めない方針も「大いに見直していきたい」。
筆者は20年以上に及ぶ自公連立の総括を問うた。この間「大衆」の暮らし向きは上向いていない。「平和の党」「クリーンな政治」という看板も色あせ気味だ。
「重たい指摘だと思います」
これにも斉藤流で応じた上で、与党・公明党の実績として、政治の安定、安全保障政策への歯止め、消費税の軽減税率導入を列挙した。
自己評価の当否はさておき、自民党との連立は結党の原点との相克を抱えながら当面続くと理解した。
ゲスト / Guest
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斉藤鉄夫 / Tetsuo SAITO
公明党代表 / Chief Representative, New Komeito