2023年09月07日 16:00 〜 17:00 10階ホール
ジャニーズ性加害問題当事者の会 会見

会見メモ

ジャニーズ事務所が会見し、創業者である故ジャニー喜多川氏による性加害の事実を正式に認めて謝罪するとともに、藤島ジュリー景子社長の辞任を発表した。

これを受け、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の平本淳也代表、石丸志門副代表ら8人が登壇。会見への受け止めなどについて語った。

 

司会 田玉恵美 日本記者クラブ会員(朝日新聞社)

 

※写真1枚目から平本淳也さん(代表)、石丸志門さん(副代表)、中村一也さん、大島幸広さん、志賀泰伸さん、長渡康二さん、イズミ(仮名)さん、ハヤシ(仮名)さん、服部吉次さん


会見リポート

「前向くため、責め抑える」

石田 敦子 (毎日放送東京報道部部次長)

 この日14時から始まったジャニーズ事務所の会見を、「ジャニーズ性加害当事者の会」のメンバーは日本記者クラブの一室で見据えていた。9月4日に開いた会見では「性加害を認めて謝罪」「被害者との対話」「適切な補償」を求めたが、その声がジャニーズ事務所に届いているのかを一言一句確かめるかのようだった。

 16時からの会見では、冒頭「当事者の会」のメンバーがそれぞれの思いを語った。事務所側の性加害の事実認定や謝罪、補償に向けた取り組みには一定の評価を示したが、その一方でジュリー前社長、東山新社長が性加害について「噂で聞いていた」程度の認識だったことなど納得できない点もまだまだあると異口同音に話した。しかし、平本淳也代表の「そこを責め込んでとがめることは、前を向きたいがためにその気持ちは抑えます」という言葉が、現時点での「当事者の会」の基本姿勢と受け止めていいのだろう。

 この会見で改めて実感させられたのは、言うまでもなく、この日は問題解決に向けた初めの一歩に過ぎないことと、はらんでいる課題が幾重にも重なっていることだった。

 「オーディションを受けた初日に被害に遭う。それが嫌で次回来ない。これって所属(していたこと)になると思う?」と平本氏は問いかけた。「そんな子まで…」と私は驚愕した。今回ジャニーズ事務所に次いで厳しい目を向けられているメディアが、歌って踊るアイドルの輝きに文字通り目がくらんでいる間に被害者の数は膨れ上がっていた。無自覚と傍観の罪深さも浮き彫りになった。

 当事者たちは、メディアの在り方だけでなく、性被害を訴えにくい法律の立て付けや、日本の人権意識の低さなどにも言及した。一事務所の不祥事にとどまらない様々な課題をどう解決していくのか。公正に、多面的に、そして何より継続して報道していくことが、我々が果たすべき責務であろう。


ゲスト / Guest

  • 平本淳也 / Junya HIRAMOTO

    「ジャニーズ性加害問題当事者の会」代表

  • 石丸志門 / Shimon ISHIMARU

    「ジャニーズ性加害問題当事者の会」副代表

  • 中村一也 / Kazuya NAKAMURA

    「ジャニーズ性加害問題当事者の会」

  • 大島幸広 / Yukihiro OHSHIMA

    「ジャニーズ性加害問題当事者の会」メンバー

  • 志賀泰伸 / Yasunobu SHIGA

    「ジャニーズ性加害問題当事者の会」メンバー

  • 長渡康二 / Koji NAGATO

    「ジャニーズ性加害問題当事者の会」

  • イズミ(仮名) / Izumi

    「ジャニーズ性加害問題当事者の会」メンバー

  • ハヤシ(仮名) / Hayashi

    「ジャニーズ性加害問題当事者の会」メンバー

  • 服部吉次 / Yoshitsugu HATTORI

    「ジャニーズ性加害問題当事者の会」協力会員

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