2023年07月31日 13:30 〜 14:30 10階ホール
鈴木直道・北海道知事 会見

会見メモ

2期目がスタートしてから3カ月がたった北海道の鈴木直道知事が「エネルギー」「デジタル」「食」に関する道政の取り組みについて話した。

 

司会 澤田信孝 日本記者クラブ企画委員(北海道新聞)


会見リポート

再エネ、デジタル、食強調

村上 辰徳 (北海道新聞東京支社編集局報道センター)

 エネルギー、デジタル、食。この三つのキーワードで、北海道のポテンシャル(潜在能力)を最大限に発揮する―。鈴木直道知事は地域経済戦略についてそう述べ、「北海道の価値を押し上げる。そして、わが国をけん引していく」と力を込めた。

 エネルギーを巡っては、国の認可法人が3月下旬、北海道―東北間の日本海側と太平洋側に計600万㌔㍗の海底送電線を新設する計画を公表した。送電網を増強し、地方で使い切れない電気を首都圏に送れるようにして再生可能エネルギーの利用を拡大するのが狙いだ。再エネの推定資源量で全国屈指の北海道は、電気の一大供給地となる可能性を秘めている。鈴木氏は「投資と雇用を生み出し、産業を創出する。環境と経済の好循環を実現させる」と語った。

 デジタル産業の集積にも期待が高まる。トヨタ自動車などの出資で設立されたラピダスが次世代半導体製造工場を北海道千歳市に建設する。2027年に本格操業する予定だ。半導体製造に不可欠な良質かつ大量の水と、広大な工業用地を企業に提供できる北海道はデジタル産業の有望な立地先だ。鈴木氏は「次世代半導体で乗り遅れると、あらゆる産業が他国に後れを取る」と指摘し、ラピダスの量産化を後押しする考えを強調した。災害リスクの低さや省エネに適した冷涼な気候といった北海道の強みを生かし、データセンターの誘致にも取り組む意欲を見せた。

 ロシアのウクライナ侵攻が長期化の様相を見せる中、食料安全保障は各国の関心事だ。北海道は日本の「食」にどう貢献するか。この課題に鈴木氏は「30年度までに日本の食料自給率に占める道産品のシェアを30%(18年は24%)に高めたい」と説明。輸入品から道産品への転換を図る食料として小麦や大豆などを挙げ、食料供給基地としての北海道の機能強化に努める考えを示した。


ゲスト / Guest

  • 鈴木直道 / Naomichi SUZUKI

    北海道知事

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