2023年04月10日 14:00 〜 15:30 10階ホール
「ウクライナ」(22) 隈部兼作ロシア・ユーラシア政治経済ビジネス研究所代表

会見メモ

ロシア・ユーラシア政治経済ビジネス研究所代表取締役の隈部兼作さんが登壇。ロシアによるウクライナへの侵攻から見えてきたこと、侵攻の背景を、グローバルサウスの視点や米国のランド研究所のレポートなどから説明した。質疑応答の中で、経済制裁がロシアの財政に与えた影響や今後の見通しについても解説した。

 

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

 

※ゲストの意向によりYouTubeでの動画公開は行いません。


会見リポート

ロシア弱体化 見据える米

大野 正美 (元朝日新聞社モスクワ支局長)

 米陸軍の資金で1946年に設立された米国の非営利シンクタンク「ランド研究所」が2019年4月にまとめた報告書は、ロシアを米国の「潜在的な競争相手」と位置づけ、「非暴力的な方法で米国が有利になるようロシアと競争し、弱体化と国際的な信用を失墜させるための措置」について検討していた。そこには「ウクライナへの米国の軍事支援を増強し、ロシアの人的・経済的コストを増大すること」も含まれていた。

 ランド研究所のこの報告書や米国がロシアに対してとってきた政策を詳細に検討すると、「米国はソ連が崩壊した後も、絶えずロシアに圧力をかけていた」「ロシア側がレッドラインとしていたウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟でも、米国には妥協するつもりは最初からなかった」と推測できるという。一方で、「領土問題を抱えるウクライナは紛争前の時点でNATOの規定から加盟は不可能だった。米国がNATOの東方拡大をこれ以上しないようにとのロシア側の要求を完全に拒否しなければ、外交での解決も可能だったのではないか」との見方も示した。

 そのランド研究所は今年1月の報告書で「ロシアとNATO間の戦争やロシアによる核使用、現在の戦争の長期化を回避することは、米国にとってウクライナの領土支配を大幅に促進することよりも高い優先事項だ。ロシアの弱体化はすでに進んでいる」との立場を取っているという。

 そうした点からウクライナの事態を考え、戦火を早期に終息に導いていくためには「冷静な考察、的確な情報取集および分析力」が必要で、かつ「想像力を高め、先見力をつける努力をするべきだ」と結論づけた。

 また、専門であるロシア経済のウクライナ侵攻後の課題には「新国際ビジネス環境の創設」「輸入代替産業の育成」「中国、インド、グローバルサウス諸国等との関係強化」「頭脳流出問題への対応」を挙げた。

 


ゲスト / Guest

  • 隈部兼作 / Kensaku KUMABE

    ユーラシア政治経済ビジネス研究所代表 / Representative, Russia, Eurasia Institute of Political Economy & Business

研究テーマ:ウクライナ

前へ 2024年06月 次へ
26
27
28
29
30
31
1
2
4
6
7
8
9
11
12
13
15
16
22
23
24
25
26
27
28
29
30
1
2
3
4
5
6
ページのTOPへ