2023年02月28日 15:30 〜 16:30 10階ホール
島田明・日本電信電話株式会社代表取締役社長 会見

会見メモ

日本電信電話株式会社(NTT)の島田明代表取締役社長が、「グローバル・サステナブルへ進化するNTT」をテーマに、グループとしての取り組みや今後の方向性について話した。

 

司会 竹田忠 日本記者クラブ企画委員(NHK)


会見リポート

通信軸に社会課題を解決

播摩 卓士 (TBSテレビ上席解説委員)

 全世界で33万人の従業員を有する巨大企業NTTの変化が、記者会見のテーマであった。民営化時に主力だった音声通信の比率が大きく減ったことは当然としても、現在、最大の売り上げを占めているのが、企業用のシステム開発や保守などのSI(システムインテグレーション)であり、そのためにインドで4万人も雇用していると聞けば、その変化に驚く。今や、売り上げの18%、従業員数の40%が海外と、グローバル事業の拡大ぶりがわかる。

 また、ネット社会のインフラ整備が一定程度、進んだことを受けて、通信を基本にした様々な技術を社会課題解決のために実装していくことも、NTTの新たな柱だと言う。島田社長は、そのキーワードを「サステナブルな社会の実現」とし、ICTを最大限活用した新しい農場や、環境負荷の低い養殖、オンライン診療、さらにはバス停でスクワットを20回すればバス代が無料になる「スマートバス停」など、興味深い実例が紹介された。

 NTTがこの先に見据えているのが、IOWN(アイオン)と呼ばれる光電融合デバイスだ。今の電子回路が光回路に置き換えられれば、半導体やその周辺の小型化や高速化が実現するだけでなく、消費電力が飛躍的に抑えられる「革命」となる。島田社長は、すでにボード間の接続を光に置き換える技術はめどがついていると明らかにし、2025年の大阪万博では電力効率13倍の技術をお披露目したいとした。いずれボード内のチップ間、ひいてはチップ内まで光化することができるだろうか。かつて「革命」であった、iモードの挫折を振り返って「我々は世界での友だち作りが下手だった」と振り返った島田社長、IOWNでは「まず友だち作りを優先する」と、捲土重来を誓った。

 環境の変化に応じた事業構造の転換はもちろん意義のあることだが、NTTには再びイノベーションの先頭に立ってもらいたいと、期待させる会見でもあった。


ゲスト / Guest

  • 島田明 / Akira SHIMADA

    日本電信電話株式会社(NTT)代表取締役社長 / president and chief Executive Officer, NTT

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