会見リポート
2022年09月13日
15:00 〜 16:00
9階会見場
馬場伸幸・日本維新の会代表 会見
会見メモ
8月27日に代表に就任した馬場伸幸氏が会見した。
司会 坪井ゆづる 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)
会見リポート
「10年内に政権」果たせるか
蔵前 勝久 (朝日新聞社論説委員)
10年後に政権を実現できなければ解散すればいい。日本維新の会の馬場伸幸新代表が示したロードマップは極めて明快だった。
最初のステップは、今年の参院選でほぼ成し遂げた。改選数を倍増させ、非改選と合わせて予算絡みの法案を参院で出せる議席にする。さらに、比例での野党第1党を実現する。この二つはクリアした。
次の射程は、来春の統一地方選。参院選の重点選挙区で勝てなかった原因に地力不足を挙げ、「地力とは、地方議員を増やすこと」と語った。「有権者との日々の接触は地方議員の方がやりやすい。国民の困り事を的確に捉えるのは、地方議員の特長だ」。全国で地方議員を抱える自民党を意識した発言で、かつて自民党の堺市議だった馬場氏らしい。
現在400人の維新の地方議員を600人に増やす目標を示した上で「次の衆院選で野党第1党をめざしたい」。立憲民主党が参院選の総括で、「自治体議員を増やし足腰を強くすること」を課題に挙げながら、統一地方選では「現有勢力の維持は至上命題」とした弱気と対照的だった。
野党第1党になった際には、自公政権の政策に対案を出し、「国会での議論をみてもらって、その次の国政選挙で国民の判断をあおぐ」と強調。「10年やって政権を奪えねば、政権政党になるのは現実的に厳しい。解散すればいい」と続けた。
昨年の衆院選、今年の参院選で躍進した自信に満ちた会見だった。所属議員の不祥事が目立ち、タカ派色の強い安全保障政策への批判がくすぶる中、示した目標は果たせるか。試金石は、来春の統一選だろう。
統治機構改革を今後の党の「旗頭」にするという文脈で、国民民主党の前原誠司氏と立憲の松原仁氏と具体名を挙げた点は気になった。岸田内閣の支持率は続落するも、野党への期待は高まらない。野党再編への意欲をにじませたようだった。
ゲスト / Guest
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馬場伸幸 / BABA, Nobuyuki
日本維新の会代表 / party leader, Nippon Ishin no Kai