会見リポート
2020年06月04日
13:30 〜 14:30
10階ホール
「新型コロナウイルス」(26) 川本恭治・城南信用金庫理事長
会見メモ
コロナ禍における中小企業、個人事業主の現状について、城南信用金庫の川本恭治理事長が話した。
「リーマン・ショックと東日本大震災をあわせた以上の打撃」との声が聞かれるという。
地域貢献を使命とする信金として取り組む企業、事業主への支援活動についても紹介した。
司会 播摩卓士 日本記者クラブ企画委員(TBSテレビ)
会見リポート
コロナ禍で融資案件数5倍に
松村 信仁 (産経新聞社経済本部)
「困っている人を助けるのが信用金庫の使命」。東京・神奈川を地盤とする城南信用金庫の川本恭治理事長はコロナ禍に立ち向かう地域金融機関としての思いをこう表現した。
信用金庫は株式会社組織の銀行と違って、主な利用者である中小企業や個人が会員となって相互扶助する共同組織で、全国各地に約250もの信金が存在する。その営業区域は都道府県よりも小さく、まさに「地域密着」の金融機関だ。
新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響は2月初旬から徐々に現れ、3月に入ると城南信金の本支店には、融資の相談に訪れる中小企業経営者の姿が絶えなくなった。
地域経済の現状について、川本理事長は「もろに影響を受けている。廃業したくても手元の資金がなく、それすらもできないといった中小企業経営者からの悲痛な相談が連日寄せられている」と打ち明けた。
城南信金はコロナ禍前の5倍の融資案件を実行しているが、川本理事長は、「融資だけでは何も解決しない。地域の雇用を守るためにも中小企業の本業への支援が大切だ」と訴える。
東日本大震災の翌年となる平成24年、城南信金は被災地復興支援を目的にした商談会「よい仕事おこしフェア」を開催。被災地の中小企業経営者を東京に集め、都内の百貨店などの担当者との商談の場を設けた。これがきっかけとなり、通年で商談できるオンラインサイトを開設。この動きを知った全国各地の信金も次々とサイトに参加した。城南信金はこのネットワークを生かし、全国の信金と連携して、中小企業の販路開拓支援に取り組む。
金融業界はマイナス金利の影響で経営環境が厳しくなっているが、川本理事長は「地域に尽くすことで、選んでいただける金融機関を目指す」と結んだ。
ゲスト / Guest
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川本恭治
城南信用金庫理事長
研究テーマ:新型コロナウイルス
研究会回数:26