2019年11月20日 15:00 〜 16:30 10階ホール
「安保改定60年 その功罪と今後」(1) 五百旗頭真・兵庫県立大学理事長

会見メモ

1960年の日米安保条約改定から60年(1月に締結、6月に発効)を前に、シリーズで安保の意義と今後を多角的に考える。

第1回ゲストとして五百旗頭真氏が登壇し、安保が果たしてきた役割、今後のあり方について語った。

 

司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員


会見リポート

「国際公共財」としての安保

川上 高志 (同シリーズ担当企画委員 共同通信社特別編集委)

 激しい反対闘争の末に承認された日米安全保障条約の改定から来年で60年になる。日本の外交・安全保障政策の基軸である安保条約に対して今、トランプ米大統領は米国側の日本防衛と、日本側の米軍基地展開という「負担の非対称性」を「不平等だ」と主張し、対日圧力を強めている。

 今回のシリーズ企画「安保改定60年 その功罪と今後」は戦後、安保条約が果たした意義を総括し、今後の在り方を考えるために企画した。その初回に防衛大学校長も務めた政治学者の五百旗頭真氏を招いたのは、歴史と課題を俯瞰して語っていただくためだった。

 その狙い通りに、五百旗頭氏の話は精緻に整理されていた。平和憲法に背馳せず、日本の安全を保障するため旧安保条約を受け入れた吉田茂。幅広い日米関係の「基軸」へと高めた岸信介による1960年の改定。軽武装下での経済合理性を重視した池田勇人とその秘書官だった宮沢喜一。沖縄返還と日本の非核化をセットにし日米間の信頼性を高めた佐藤栄作―。歴代政権の行動原理だ。

 その後、日本の経済成長に伴い、日米は経済摩擦の時代を迎えるが、90年代の北朝鮮、台湾危機を契機に安保は再定義され、アジア太平洋地域の安定に寄与する「国際公共財」の意味合いが加味されたと解説した。

 さて、今後の日米安保体制はどうあるべきか。印象に残ったのは冷戦後の国際秩序を「変動相場制」と表現した言葉だ。変動する国際環境の中で、日本は受け身ではなく自らの役割を切り開いていくべきだと強調。ただ、トランプ時代に安保再改定の議論はすべきではないと指摘した。

 「むき出しの軍事同盟」ではない日米安保という「公共財」をどう生かしていくのか―。来年6月の改定60年までのロング企画として、外交・安保政策、軍事、基地、沖縄問題など多角的な視点から関係者を招き、じっくりと取り組んでいきたい。 


ゲスト / Guest

  • 五百旗頭真 / Makoto Iokibe

研究テーマ:安保改定60年 その功罪と今後

研究会回数:1

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