2019年07月24日 11:00 〜 12:00 10階ホール
鈴木直道・北海道知事 会見

会見メモ

北海道知事の就任からちょうど3カ月というタイミングで登壇。全国唯一の財政再生団体である夕張市の再建に取り組んだ経験を生かし、北海道政にどのように取り組むのか。道政を取り巻く課題や今後の展望を語った。9月をめどに新設する方針を示している『ほっかいどう応援団会議』の概略についても説明。課題を可視化し、情報発信をしながら、道内外からの「ありとあらゆる関係、関わりを取り込む」と強調した。

 

司会 近藤浩 日本記者クラブ企画委員(北海道新聞社)

 


会見リポート

「関係人口」の拡大目指す

村田 亮 (北海道新聞社報道センター)

 38歳と現役で全国最年少知事の鈴木直道北海道知事が、就任3カ月のタイミングで会見した。30歳の時(2011年)に全国最年少で夕張市長に就き、日本記者クラブでは16年以来2度目の会見だ。

 不適切な会計処理で借金を隠し続けて財政破綻し、全国唯一の財政再建団体 (10年から財政再生団体)となった夕張市。17年に借金返済一辺倒だった財政再生計画を抜本的に見直し、まちづくりにも投資できるようにした。企業などの後押しが背景にあったという。

 その経験から、4月の知事選では北海道ゆかりの経済人らから資金を募る「ほっかいどう応援団会議」を公約の目玉に掲げた。会議は9月に立ち上げる予定で、「北海道との、ありとあらゆる『関わり』『関係』を取り込む」と力説した。

 道内自治体へのふるさと納税のデータを活用し、北海道の情報を寄付者に発信することで、都市部に住みながら地方と交流する「関係人口」の拡大に取り組む考え。主力財源に見込む企業版ふるさと納税も手続きが煩雑だとして制度の簡素化を国に訴えているという。

 ふるさと納税の発案者でもある菅義偉官房長官とは法政大の同窓で、道幹部人事などに協力を得ている。会見では「国の方針にNOと言えるか」との質問があり、「国と温度差があることは多い。真摯な議論をして国から勝ち取る」と答えた。

 さらに、この日は「課題の可視化が大事だ」「不都合な事実も直視する」などと難問に向き合う気概を何度も口にした。

 道政最大の課題は今、安倍政権が成長戦略に位置付けるカジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)の誘致の是非と、赤字経営が続くJR北海道の路線見直し問題だ。会見でこの2点に言及はなかったが、任期中に対応が迫られる。こうした懸案に下す政治決断にこそ、鈴木知事の真価が問われることになる。


ゲスト / Guest

  • 鈴木直道 / Naomichi Suzuki

    日本 / Japan

    北海道知事 / governor of Hokkaido prefecture

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