2019年02月01日 16:00 〜 17:00 10階ホール
下村博文・自由民主党憲法改正推進本部長 会見

会見メモ

9条への自衛隊明記案の先行には必ずしもこだわらないとし、教育無償化など合意できるテーマがあれば早く発議すべきとの考えを示した。

 

司会 平井文夫 日本記者クラブ企画委員(フジテレビ)


会見リポート

9条後回しでも早期発議を

清水 真人 (日本経済新聞社編集委員)

 自民党がまとめた改憲4項目の「条文イメージ(たたき台素案)」の説明を、焦点の9条への自衛隊明記ではなく、あえて教育充実の条項から始めるという「変化球」を投じた。

 安倍晋三首相の側近の一人。昨秋は衆院憲法審査会の日程協議を拒む野党を「職場放棄」と批判し、反発を受けて審査会幹事就任を辞退する一幕もあったが、今年はソフト路線だ。

 9条改正は「一丁目一番地で議論は重要だが、一国会、数カ月で話がまとまるほど簡単なテーマではない」との本音を漏らした。だから「4つのうち他のどれか、またはそれ以外でもまとまって発議できるなら、それはそれですべきだ。何であれ、発議すれば堂々たる改憲テーマだ」と9条を後回しにしてでも、早期の改憲発議を目指す姿勢をのぞかせた。

 ソフト路線を発信するのは「発議はできても、手法によっては国民投票で過半数の賛同を得られない」との現実論からだという。憲法審の議事運営に触れ「他の委員会とは別ルールで、全政党合意のうえで運営してきた。土俵に乗るよう野党に丁寧にお願いしていくしかない」と全会一致の慣行は崩さないと強調した。

 自民党の47条改正案は、参院の合区解消が主目的とされるが、衆参両院とも選挙区割りは人口を基本としつつ、行政区画や地域的な一体性などを「総合的に勘案する」と定める。

 下村氏は先の定数是正で地元の衆院東京11区から板橋区の一部が切り離された例を挙げて「人口を基本にした定数格差2倍以内の基準は、もう少し柔軟にしても程度問題ではないか」と改憲は衆院の区割りの弾力化にもつながるとの見解を示した。

 憲法学者の小林節氏(クラブ特賛会員)は、現行72条が首相の国会への議案提出権を認める以上、改憲を巡って首相が国会で積極発言しても問題ないはずだ、と問うた。下村氏は「改憲案は内閣提出法案ではない。議員同士で議論すべきだ」と答えるにとどめた。

 


ゲスト / Guest

  • 下村博文 / Hakubun Shimomura

    日本 / Japan

    衆議院議員 / Member,House of Representatives

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