2018年07月13日 16:00 〜 17:30 10階ホール
メルジャン駐日トルコ大使 会見

会見メモ

2016年7月15日にトルコで起きたクーデター未遂事件から2年を迎える。「この事件のショックが大きく、国内にトラウマが残っている。1995年に東京で起きた地下鉄サリン事件に比するものだ」として、トルコ国民の思いを共有してほしいと述べた。

大統領選挙は、公正で透明性が高く、国際基準にのっとり行われた。「エルドアン大統領の再選で、実権大統領制の新時代に入った。経済発展と国際協力に重点を置く」とした。

会見後、大使館から提供されたワインを楽しんだ。

 

司会 土生修一 日本記者クラブ事務局長

通訳 大野理恵


会見リポート

大統領選の正当性強調

 中東の地域大国トルコは今、変革のまっただ中にある。

 エルドアン大統領が再選を果たした6月の大統領選をもって、1923年の建国以来続いた議院内閣制が廃止され、大統領に行政権を集中させる体制に移行したからだ。それは、2003年以来権力を握るエルドアン氏の強権化が、更に進む恐れがあることを意味している。

 「我々は新しい時代に突入している」。日本記者クラブで会見したメルジャン駐日トルコ大使は、冒頭発言でこう胸を張った。だが会見を通して見えたのは、国際社会に強権と映る自国への視線を、取り払おうとする姿だった。

 トルコでは2年前の7月、クーデター未遂事件が発生。民間人を中心に251人の死者が出て、負傷者は1千人を越える大惨事となった。その後エルドアン政権は、テロ対策として15万人を拘束し、公務員11万人を解雇。政権に批判的なメディアは政令で次々閉鎖させており、6月の選挙は「集会や表現の自由が制限され、選挙運動は公平ではなかった」(欧州連合のモゲリーニ外交安全保障上級代表)などと指摘する意見もある。

 メルジャン氏はそれを意識してか、大統領選には正当性があったと強く主張。「欧州のオブザーバーは、選挙が公正で国際基準にのっとったものだと認めている」と指摘し、40を越える首脳や高官がエルドアン氏の就任式に参加した、とした。

 報道陣からの「なぜ大統領制に移行する必要があったのか」との問いには、「議院内閣制の時は首相と大統領との二重権力状態が生まれていたが、新しい制度では解消されている」と回答。また、エルドアン氏が約52%の得票率で当選したことを引き合いに出し、「強権国家では、リーダーが90%越えの得票率で勝利することもある。トルコはそうではない。民主主義が機能している証拠だ」と述べた。

 質問の手は下がることなく、会見が終了。その後は出席者が大使らと親睦を深めるレセプションの場が設けられ、トルコワインが振る舞われた。その場でも、報道陣からの問いに一つ一つ真剣に答えるメルジャン氏の姿が印象的だった。


朝日新聞社国際報道部  軽部 理人

ゲスト / Guest

  • ハサン・ムラット・メルジャン / Hasan Murat Mercan

    トルコ / Turkey

    駐日トルコ大使 / Ambassador of the Republic of Turkey to Japan

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