2018年02月21日 15:00 〜 16:00 10階ホール
ティモ・ソイニ フィンランド外相 会見

会見メモ

司会 鶴原徹也 日本記者クラブ企画委員(読売新聞)

通訳 森岡幹予


会見リポート

平和なムーミン谷を世界に

 韓国と北朝鮮による南北合同チームの参加で沸く平昌五輪が開催される中、第2次世界大戦後に築かれた国際規範が脅かされている今日の世界において、法の支配に基づく国際秩序の重要性を強く訴えた。

 欧州ではロシアによるクリミア併合、アジアでは中国の軍事的台頭や北朝鮮による核兵器開発など、地域の安全保障が脅威にさらされていることに加え、グローバル化の負の影響として、保護主義的な経済政策を取る国が出現し、「ルールベースの国際秩序が圧力にさらされている」と指摘。「古い国際秩序の代替を求める意見もあるが、既存の秩序の実効性を上げ、より民主的なものにするべきだ」と強調し、「戦後の秩序の浸食を許したら、深い溝に迷うことになるだろう」と警鐘を鳴らした。

 質疑では、党首を務めたフィン人党に関連して、欧州で台頭するポピュリズムについて見解を問われた。「欧州連合(EU)が全市民に安全保障と繁栄を担保できるかどうかによって、市民がポピュリズムを支持するかどうかが決まる。単純な構図だ」と述べた。一方、北欧における社会民主主義の衰退について、「古い構造を守るだけで新たな息吹を入れていない。マルクス主義的なことばかり掲げ、原則を唱っているだけでは支持を取り付けることはできない」と切り捨てた。

 記者の関心は対ロシア関係や北大西洋条約機構(NATO)加盟など様々あったが、「これを聞かずにはいられない」として回答を迫られたのが「ムーミンはどこの住民か」の問い。大学入試センター試験で出題され、物議を醸した経緯を笑いながら聞いていたが、「ムーミンはフィンランドにいるが、私たちの心の中にいる。日本人の心の中にもいるかもしれない」と、左胸に手を当てながら語りかけ、会場を優しい空気で包んだ。

 会見の冒頭、日本が戦後、復帰を果たした五輪が1952年のヘルシンキ五輪だったことにも触れ、国際協調による平和の追求が両国の使命だとした。各国で安全保障政策が見直される中、のどかで平和な「ムーミン谷」が世界各地に存在することを求めた。

 


読売新聞国際部  笹子 美奈子

ゲスト / Guest

  • ティモ・ソイニ / Timo Soini

    フィンランド / Finland

    外相 / foreign minister

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