2017年11月15日 16:30 〜 17:30 10階ホール
斎藤健 農水相 会見

会見メモ

通産官僚出身の農水大臣は異例だが、大臣就任以前に自民党農林部会長、農水副大臣を経験し、会見の冒頭では「これまで農政をやってきた4年間の総括のつもりで話したい」と語った。人口減少に直面する日本農業の振興策として、輸出振興と付加価値の2点が重要だと指摘。「生産現場だけ見る農政ではもうダメ。消費者への視点も大切」と強調した。

 

司会 川村晃司 日本記者クラブ企画委員(テレビ朝日)


会見リポート

畑違いの農政へ  大転換進める覚悟とは

 安倍政権の農政は、通商ではTPPのハイレベルな自由化、内政では米の生産調整廃止や農協改革など、これまでの「壁」を良くも悪くも打ち破った。齋藤健氏は自民党農林部会長や農水副大臣を務め、この農政転換に深く関与した。当選3回生での農水大臣就任は異例中の異例だ。大転換期の農政にどんな問題意識で関わったのか、興味深かった。

 

 なぜ農林部会長なのか、齋藤氏はそこから語り始めた。役人時代から希望ポストを問われると「困難な仕事」と書いてきたと言い、党の希望ポスト調書にもその5文字を書いた。すると高市早苗政調会長から農林部会長の連絡があったという。「経産省と農水省は敵対することが多かった。農林部会には一度も出たことはない。何重にも仰天した」

 

 とはいえ、農業の時代状況と自らの役どころをよくわきまえていたとみえる。「産業としての農業はいま大きな曲がり角にある。人口減少で国内マーケットは縮小する。一方で成長余力がものすごくある。アジア太平洋地域は人口が増え、金持ちも増える。日本食ブームで日本産への評価が高い」。記者の質問に「やるしかない」と言い切ったところに、輸出イノベーションを狙う齋藤農相の覚悟のようなものを感じた。

 

 TPP交渉では、世界最高水準の自由貿易圏の実現と農業の防衛をどう両立させるかに腐心したという。「折り合いはつけられたと思っている。TPPは関税撤廃が原則。リスクを冒して飛び込み、例外措置を勝ち取った。この間の通商交渉努力は評価されていい」。当面する課題には米政策の肝である飼料米助成の維持を挙げた。「国民が1食当たり1円払うことで水田を維持できる。これを高いとみるか安いとみるか」。財務省は飼料米助成の削減を求め、年末の予算編成で最大の焦点になる。予算獲得への意欲に農林議員の「顔」をちらっとのぞかせた。


日本農業新聞論説委員室長  田宮 和史郎

ゲスト / Guest

  • 齋藤健 / Ken Saito

    日本 / Japan

    農林水産大臣 / Minister of Agriculture, Forestry and Fisheries

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