2017年11月13日 17:00 〜 18:00 10階ホール
宮沢洋一 自民党税調会長 会見

会見メモ

12月の税制改正大綱公表に向けて、宮沢洋一自民党税調会長がアベノミクスを支える税制改革の在り方や、焦点の所得税控除見直しなどについて語った。「非正規雇用者が増え、高齢者、女性の働き方も多様化している」「一番時間をかけるのは所得税改革。高額所得者の給与所得控除額は他の先進国に比べて高い。それなりの結論を得たい」

 

司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

「代表」の説明責任

 10月の衆院選で、安倍晋三首相が「代表なくして課税なし」と、信を問うたのは消費税率引き上げ時の使い道の変更だった。これに基づく幼児教育無償化などの政策は選挙後に急ピッチで議論が進み、予算措置が講じられる運びとなっている。

 

 一方、同じ税を巡る議論でも、自民党の公約集に盛り込まれていた個人所得課税改革は選挙結果を受けて勢いづいたテーマだ。会見した自民党の宮沢税制調査会長が「昨年決めた税制改正大綱にも方向性を出した」と説明する通りなのだが、選挙戦で所得税改革を訴えた議員は、ほとんどいないだろう。その意味で、会見は2018年度の税制改正作業が本格化するのを前に、会社員の給与所得控除、高齢者の公的年金等控除について高所得者の控除縮小を検討していくことなど、改革の方向性を改めて紹介する場となった。

 

 宮沢氏は、業界団体や関係省庁など利害関係者がある程度見える法人税などの制度改正と異なり、所得税改革を「鏡のないところで化粧しているようなもの」と例える。増税になる人と減税になる人の境界線を引くなど、センシティブな判断が必要になるため、税調の会議でも所得税を取り扱うと発言が少なくなるのだという。

 

 ただ、所得税は国民全員に関わる問題だからこそ、幅広い透明な議論が必要なテーマでもある。一部の関係者が密室で進めたと見透かされれば、ようやく緒に就きかけた所得税改革のスピードは遅れることになるだろう。

 

 宮沢氏は「公平・中立・簡素」という税制を巡る3原則のうち、「公平と簡素は矛盾している」と指摘。その上で「公平と簡素のバランスを常に意識していかなければいけない」と強調した。耳当たりのよい話にとどまらず、矛盾を丁寧に説明する「代表」としての政治の責任が試される。


時事通信社経済部  井町 知致

ゲスト / Guest

  • 宮沢洋一 / Yoichi Miyazawa

    日本 / Japan

    自民党税調会長 / Chairman, Research Commission on the Tax System, LDP

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