2017年11月08日 15:00 〜 16:30 10階ホール
「2期目の習体制」(1) 胡鞍鋼 清華大学教授

会見メモ

2期目の習体制 (1)

習近平政権のブレーン。「毛沢東が起国、鄧小平が豊国、そして習近平が強国を実現する」「所得倍増は日本に学んだが、今や『先生』を超えた。次は米国を超える」「中国共産党がなければ人類運命共同体もできない」。自信満々の口調で習時代を語った。

 

司会 坂東賢治 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)

通訳 徐一睿(専修大学)

『習近平政権の新理念』(日本僑報社サイト)


会見リポート

「強くなった中国」

 第19回共産党大会を終え、スタートした2期目の習近平体制を特徴づける思想及び理論の内容を中心に、清華大学の胡鞍剛教授が会見した。習主席の勉強会に出席したこともある胡教授の言葉から終始感じられたのは、非常に強い自信だった。

 

 胡教授はまず党大会で強調された「習近平の新時代」の定義について話した。国家には黎明期、成長期、繁栄期、衰退期の4つのライフサイクルがあり、中国はまさに繁栄期に突入するというものだ。そこで何度も繰り返されたのが「強国」という言葉である。

 

 「強国」という概念を細かく見ていくと、人材強国、製造強国、インターネット強国など、13もの分野にまたがるという。「習近平の新時代」とは、これから中国が、軍事を含めて、あらゆる分野で「強国」になるという壮大なビジョンでもある。

 

 ではなぜ、「習近平」という個人名が、新しい時代に冠されるのか。胡教授の説明によると、習氏はすでに14冊もの論述集を出版し、そのボリュームは2422ページ、128万字にも及ぶという。すでに壮大な理論体系を構築しているため、時代の名にふさわしいというわけだ。

 

 それでは、個人崇拝の危険はないかと、出席した記者からは質問が飛んだ。大丈夫、意思決定は中央政治局会議=合議制で行うので、独裁の危険はないという。ほんとかウソか、「安倍さんよりも自由に決められないのですよ」と胡教授は真顔で話していた。

 

 強くなった中国は全世界のために、「人類運命共同体」の構築に尽力する。そして、14億の人民は、それなりの暮らしを営める「小康社会」から、豊かさを実感する「共富時代」への歩みを始める。そのような、「中国の黄金時代」を率いるにふさわしい、「黄金のリーダー」こそが、まさに習近平であるというのが、胡教授の結論だ。

 

 個人的な感想として、中国の「強国」ビジョンの中に、民主や人権という概念があまり出てこなかったのが気になった。中国の「特色ある」社会主義には、そのような西洋的概念は必要ないと思っているのかもしれない。西洋各国から批判され続けながら、経済成長で結果を出し続けた中国の自信が、そのまま胡教授の自信につながっているように見えた。

 

 何はともあれ、政治は結果である。胡教授の描く、中国の黄金時代が本当に訪れるのか、一記者として、これからも中国をウオッチしていきたいと思う。


テレビ朝日外報部記者  冨坂 範明

ゲスト / Guest

  • 胡鞍鋼 / Hu an gang

    中国 / China

    清華大学教授 / Professor, Qinghua University

研究テーマ:2期目の習体制

研究会回数:1

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