2017年06月15日 14:00 〜 15:00 9階会見場
香港政党デモシスト幹部 会見

会見メモ

壇上左から周庭・香港衆志常務委員、黄之鋒・同秘書長

2人は3年前、10代で香港民主化デモ「雨傘運動」を率いた20歳の大学生。返還20周年を前に「1国2制度」が中国政府によってなし崩しにされている現状を訴えた。「求めているのは香港の自決権」。周さんはアニメなどで独学した流暢な日本語で話した。

 

司会 坂東賢治 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)

通訳 池田薫(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

「本気で戦っていますか」―香港民主派の鋭い刃

加藤 直人 (中日新聞・東京新聞論説委員)

香港行政長官選の民主化を求め、香港中枢を埋め尽くした黄色の傘、傘、傘―。ただでさえ蒸し暑い香港で、自らの手で民主を勝ち取ろうと路上に座り込み、演説する若者たちの熱気が渦巻いていた3年弱前の「雨傘運動」の光景が、まざまざと脳裏によみがえった。

 

日本記者クラブでの会見にのぞんだ香港の政党「香港衆志」の周庭常務委員、黄之鋒秘書長の舌鋒の鋭さは、いささかも衰えていなかった。二人とも香港返還前年の1996年生まれ。わずか20歳の若者たちの政治意識の高さに驚き、皮肉にもそうした政治的成熟を生み出した、香港を揺さぶる中国の強権政治の闇の深さに改めて愕然とする。

 

「香港人の権利は侵害され、国際公約の『1国2制度』はすでに『1国1・5制度』にされてしまった」。黄氏は、香港基本法にも認められる香港の「高度な自治」が危機に瀕している実情を切々と訴えた。

 

女性常務委員の周さんが、独学でマスターした日本語で、特に日本の若者に訴えかけた言葉は胸にしみた。「皆さんが持っている民主的な権利は、香港人が持っていないものです。ぜひ、大切にしてほしい。そして、不正義や不公正に気づいたら声を上げてほしい」

 

二人は、「民主は当たり前のものではなく、社会的道義と人権が到来していない社会では、それを勝ち取るために戦い続けて初めて変化を起こすことができる」と強調した。

 

雨傘運動では長官選の普通選挙という成果を勝ち取ることはできなかった。だが、香港衆志はひるまず、穏健な民主化運動を進め、「私たちの自決権を獲得したい」と結んだ。

 

日本では会見当日、「共謀罪」法が成立した。数の力による横暴な政治を繰り返す日本の政権。「本気で戦っていますか」―。香港民主派の若い二人の会見は、日本のジャーナリズムにそう問いかけるような、鋭い刃にも感じられた。


ゲスト / Guest

  • 黄之鋒(ジョシュア・ウォン) / Joshua Wong

    香港 / HongKong

    香港衆志秘書長

  • 周庭(アグネス・チョウ) / Agnes Chow

    香港 / HongKong

    同常務委員

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