2017年03月30日 15:00 〜 16:30 10階ホール
飯島勲 内閣官房参与 会見「日本政治を読み解く」

会見メモ

小泉純一郎元首相の秘書官を務め、現在は、内閣官房参与として、安倍首相のブレーンを務める。「日本政治を読み解く」と題して、北朝鮮の拉致問題、都議選、築地市場移転問題などについて、持論を縦横に語った。

 

司会 川村晃司 日本記者クラブ企画委員(テレビ朝日)


会見リポート

公明に睨み利かせる〝安倍政権の用心棒〟

大石 格 (日本経済新聞社編集委員兼論説委員)

「特命担当の内閣官房参与」とはどんな仕事なのか。肩書を聞いてもさっぱりわからない。あえて、こう翻訳したい。「安倍政権の用心棒」と。本人は怒るかもしれないが、こわもての風貌も含め、まるきり見当外れではあるまい。

 

「思い切って都議選の投開票に合わせた衆院解散に打って出るのが一番望ましい」。会見で注目されたのはこの発言だ。含意があるはずだ。ドラマに出てくる用心棒が「月夜の晩だけじゃないぞ」といえば、「親分に逆らうな」という意味だ。

 

すわ6月解散か、と騒ぐ向きもあったようだが、主眼は解散時期なのか。要するに公明党に「小池百合子東京都知事と仲良くするな」といいたかったのだろう。安倍晋三首相がおおっぴらにいうと角が立つので、代弁したわけだ。

 

築地市場には放射能を浴びた第五福竜丸のマグロが埋まっていて、建物にはアスベストが使われ、ネズミが5000匹もいる。こんな話もした。豊洲への移転の遅れが都民にもたらす弊害に心を痛める風を装いつつ、小池=公明の連携にくさびを打ち込みたかったに違いない。

 

などなど話半分に聞いていたが、政権の思惑が見え隠れする言い回しも結構あった。

 

「忖度はあったのか」。森友学園問題をめぐり、こう質問されると、それまでの冗舌から一転して「頭が悪いから言葉の意味がよくわからない」としか答えなかった。

 

とぼけた? そうではあるまい。小池=公明問題に比べたら、森友学園問題など打撃とは思っていないということではないか。

 

恒例の揮ごうは「広大無辺」と記した。意味するところは「いまの政治の現実はひとつのイメージを描きようがない。計り知れない怖い状況」ということだそうだが、むしろ冒頭の疑問への答えに聞こえた。政権守るためならばどこへでも出張るぞ、という……。


ゲスト / Guest

  • 飯島勲 / Isao Iijima

    日本 / Japan

    内閣官房参与(特命担当) / Special Advisor to the Cabinet

研究テーマ:日本政治を読み解く

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