会見リポート
2012年05月14日
15:00 〜 16:00
10階ホール
谷垣禎一 自民党総裁 記者会見
会見メモ
自民党の谷垣禎一総裁が、同党が4月9日に発表した「日本の再起のための政策」を中心に話し、記者の質問に答えた。
司会 日本記者クラブ企画委員 神志名泰裕(NHK)
自民党のホームページ
会見リポート
「誠」が首相に通じるか
西川 孝純 (企画委員 共同通信特別編集委員)
「誠者天之道也(誠は天の道なり)」─。漢籍に詳しい谷垣禎一自民党総裁は会見に先だって、中国の古典「中庸」にある言葉を揮毫した。きまじめな谷垣さんらしい言葉だが、現在の政治状況に当てはめると深い意味が読み取れる。
社会保障と税の一体改革関連法案の今国会成立に「政治生命を懸ける」と言明した野田佳彦首相だが、谷垣さんにとっても正念場である。9月の自民党総裁選までに衆院解散にこぎ着けなければ、党内で「谷垣降ろし」が始まるのが必至だからだ。
消費税10%への引き上げには自民党も異論がない、というより自民党が先に主張したことだ。ならば法案を修正させるか、自民党の対案を政府・民主党に丸のみさせる。同時に話し合い解散に持ち込む。これが谷垣さんの描くシナリオだ。
ところが国会の会期末が近づいているのに、その道筋が見えてこない焦りがある。そこで谷垣さんは会見で、首相に対する3条件を挙げた。
第1に、消費税に触れていない民主党マニフェストにけじめをつけること。第2に、造反を示唆している議員との決別、つまり「小沢切り」だ。3番目が、月額7万円の最低保障年金制度の断念と、後期高齢者医療制度廃止の撤回である。
首相にとって最大の難題は「小沢切り」だろう。自身の裁判は続くものの、党員資格を回復した小沢一郎元代表は増税反対論をさらに強めている。自民党と手を握るつもりなら「小沢切り」も当然の選択肢だ。
ゲスト / Guest
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谷垣禎一 / Sadakazu Tanigaki
自民党総裁 / President of the Liberal Democratic Party