会見リポート
2006年10月24日
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ハンス=ヨアヒム・デア・駐日ドイツ大使
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会見リポート
若い世代の交流拡大を
安藤 徹 (東京新聞外報部長)
23年ぶり三度目の日本勤務。70年代半ば、神戸の総領事館に初めて赴任したころと比べると、日独が互いの国に抱くイメージは大きく変わったという。
「互いのポジティブなイメージは変わっていないが、ドイツと言えばクラシック、日本と言えばマンガ大国、と昨今は狭い領域だけで見られがち。それを改善したい」
今も昔も、日本人はドイツが大好きだ。しかし、日本人が愛してやまないのは、日本人が一方的に描いているイメージに偏しがちなのも確か。なかなか「新しいドイツ」の実像が伝わらない。優しい語り口の中に、そんなもどかしさもにじむ。
「ベルリンにいる欧米の若者はアート、ファッション、音楽、ライフスタイルと、ベルリンの魅力に取り憑かれている。ロンドンやニューヨークに比べてまだ完成されていないエキサイティングな魅力を感じているようだ」
「日本の若者にも面白い、創造的な、楽しい国、とのイメージを発進していきたい。ロンドンで一週間過ごす費用で、ベルリンなら一カ月楽しめますし」
一時間にわたる講演と質疑は、大使の幅広い外交経歴を反映し、安保理改革からトルコの欧州連合(EU)加盟交渉、戦後補償問題まで多岐にわたったが、この日の一貫したテーマは若い世代の交流拡大。
この夏まで全国的に展開された「日本におけるドイツ年」や、先のサッカーW杯での盛り上がりを受けて、新しいドイツ像がどう展開されるか、大いに楽しみだ。
ゲスト / Guest
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ハンス=ヨアヒム・デア / Hans-Joachim Daerr
駐日ドイツ大使 / German Ambassador to Japan