会見リポート
2025年01月08日
16:00 〜 17:00
10階ホール
赤澤亮正 経済財政・再生相 会見
会見メモ
第2次石破内閣で経済財政政策の特命担当大臣に再任された赤澤亮正大臣が登壇。当面の経済財政運営を中心に所管分野の課題などについて話した。
運輸省(現在の国土交通省)出身。2005年の衆院選に鳥取2区から出馬し、初当選した。現在7期。内閣府副大臣、自民党税制調査会幹事、財務副大臣などを歴任し、現在は特命担当大臣として経済財政政策を担当するほか、経済再生、新しい資本主義、防災庁設置準備なども担う。
司会 藤井彰夫 日本記者クラブ理事・企画委員長(日本経済新聞社)
会見リポート
最賃の低さ 正義に反する
内藤 尚志 (朝日新聞社経済部)
昨年10月に発足した石破政権で初入閣した赤澤氏は、首相の側近として知られ、「賃金向上」「防災庁設置」といった看板政策も担当する。日本記者クラブで石破政権の閣僚が会見するのは、今回が初めてだった。
「何を考えるにも頭の中心に危機管理、最悪の事態があり、それに備えたいと思っている。ほかの政治家とはちょっと毛色が違う」
赤澤氏は会見で、そんな自己分析も披露した。運輸省に勤めて2年目に、日本航空ジャンボ機墜落事故の第一報を受けた現場に居合わせた。それ以来、危機管理に関心を持ちつづけてきたという。
いまの日本経済にとって、「危機」とは何か。会見でとりわけ強調した課題が、二つあった。
一つは「人口の急減」だ。2020年から40年にかけて働き手の人口が2割ほど減るという推計を紹介し、「大方の認識はまだまだ甘い。お一人お一人が今より2割多く所得を稼いでいただかないと、GDP(国内総生産)は確実に減っていく」と訴えた。女性や高齢者らにさらに働きに出てもらいつつ、デジタル技術などを活用して、働き手1人あたりの稼ぐ力を高める政策が必要だと主張した。
もう一つは「最低賃金」だ。全47都道府県のうち31県で時給1千円に満たない現状を、「社会正義に反する」と言い切った。フルタイムで働いても最低限の生活費すら得られないワーキングプアの状態だからだという。「こんなレベルにおいておくのは国会議員の恥」とも述べ、引き上げへの強い決意を示した。
国会で少数与党の石破政権は、野党の協力なしでは政策を推進できない。人口減と最低賃金は、主要な野党も対策が必要だと訴えているだけに、政権にとっては取りくみやすいテーマだ。とはいえ、過去の政権が十分に対応しきれなかった難題でもある。危機管理のエキスパートがどう向きあい、改善へとつなげていくのか。手腕の見せどころになる。
ゲスト / Guest
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赤澤亮正 / Ryosei AKAZAWA
経済財政・再生相