2015年07月23日 15:00 〜 16:15 10階ホール
ナザルアハリ駐日イラン大使 会見

会見メモ

イランのレザ・ナザルアハリ大使が会見し、記者の質問に答えた。
司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委委員(共同通信)
通訳 稲見誉彦(イラン大使館)


会見リポート

日本企業はイラン参入で出遅れている

小倉 孝保 (毎日新聞外信部長)

絶好のタイミングだった。イランの核開発問題で、国連安全保障理事会常任理事国にドイツを加えた6カ国とイランが包括合意に達して9日後の会見だったためだ。

 

イランは今回の合意で、国際社会への本格復帰にめどが立ったと考えているのだろう。大使の表情は終始、穏やかで口調はなめらかだった。合意の背景について大使は、「米国がわれわれの立場を認め、歩み寄ってきた」と強調した。

 

対イラン経済制裁が年内にも解除されるとの見通しを示しながら大使は、「イラン市場への参入で日本企業は高い潜在能力を持っている」と述べ、理由について、日本とイランとの歴史的関係の深さや日本企業の持つ技術力の高さを挙げた。

 

一方で日本企業のイランへの出足が鈍いことにいらだちを覚えているようで、「欧州やトルコ、中国、韓国などの企業は2013年秋の暫定合意以降、相次いでイランを訪問し、制裁解除に備え商談を始めている。しかし、日本企業はイランへの参入で遅れている」と語った。

 

日本の安全保障関連法案や原発関連での両国の協力の可能性にも触れ、実り多い会見になった。


ゲスト / Guest

  • レザ・ナザルアハリ / Reza NAZARAHARI

    イラン / Iran

    駐日大使 / Ambassador to Japan

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