2015年07月27日 14:30 〜 16:00 9階会見場
樋口陽一 東京大学名誉教授 「戦後70年 語る・問う」(27) 憲法と戦後70年

会見メモ

戦後70年 語る・問う (27)

憲法学者の樋口陽一東京大学名誉教授が「憲法と戦後70年」をテーマに話し、記者の質問に答えた。
司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

時代は碩学を遊ばせない

教壇で身についた習性か。背後のホワイトボードにまず、政治、憲法、学問を頂点とする三角形を描いた。さて、この3点が生む連関と緊張は? 該博な知識を駆使する樋口ゼミの幕開けである。

 

安保法制をめぐり、戦後70年の夏があつい。そして憲法の、この大御所も。いつもの穏やかな口調ながら、安倍政権への批判は容赦がない。

 

立憲主義や「歴史と記憶」への無理解、蔑視。最高裁・砂川判決の独善的解釈。現政権は西欧流の価値観を捨て、アジア型独裁に歩を進めているという。

 

思考スタイルは外柔内剛といってよい。東日本大震災の後、出身地・東北の復旧に汗した自衛隊員らには深い敬意を示す。だが、「隊の存在と憲法9条に整合性なし」。自説を曲げることはない。9条が隊の暴走を食い止めてきたのだから、と。

 

国会前のネット世代の集い。「この国の今と将来に自信を持った」。そう述べたという。憲法で最も重きを置く「個人の尊重」(13条)。その理念が醸成した若者たちの自立心に希望の光を見る。

 

鶴見俊輔、奥平康弘。少し前に、先達と仰ぐ加藤周一。リベラルなリーダーは次々先立った。書斎派を脱し、後を担う覚悟はできたようだ。

 

齢80。時代は碩学を遊ばせはしない。(敬称略)


朝日新聞出身 田上 幹夫

ゲスト / Guest

  • 樋口陽一 / Yoichi Higuchi

    日本 / Japan

    東京大学名誉教授 / Professor emeritus at the University of Tokyo

    研究テーマ:戦後70年 語る・問う

    研究会回数:27

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