2015年03月27日 14:00 〜 15:30 10階ホール
著者と語る 板橋拓己成蹊大准教授 『アデナウアー 現代ドイツを創った政治家』

会見メモ

板橋拓己 成蹊大学准教授が、戦後の西ドイツを率いたアデナウアーの生涯を描いた著書について話し、記者の質問に答えた。
司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)
著書ページ(中央公論新社)


会見リポート

現代ドイツを創った政治家を通して日本を見る

熊倉 逸男 (東京新聞論説委員)

西ドイツ初代首相を描いた近著『アデナウアー』(中公新書)を紹介し、戦後ドイツの成立について解説、日本の戦後70年を考える上でも、時宜にかなった会見となった。

 

アデナウアー(1876~1967、首相在任は49~63)が目指した政策理念として▽欧州連合(EU)につながる西側結合▽自由主義体制の定着▽戦後補償―を挙げる。著者が日本人の視点として独自性を強調したのは、イスラエルとユダヤ人団体への補償を取り上げた点だ。

 

イスラエルは、ナチス時代の罪や過去を突き付けるナイーブな存在だった。西ドイツが主権を回復し、国際社会に復帰するためには「ナチスの過去」を清算する必要があった。当時、イスラエルにとって「反ドイツ」は国是。西独、イスラエル両国内から批判が出る中、アデナウアーがドイツ人の責任を認め、ユダヤ人への補償に踏み出そうとした点は評価されてもいい、と主張する。

 

「ドイツの政治家は過去について、どういった言動が許されないか、というコード(規定)を強固に持っている。国際社会を非常に意識している。学んでもいいのでは」と提言した。


ゲスト / Guest

  • 板橋拓己 / Takumi Itabashi

    日本 / Japan

    成蹊大学准教授 / Associate professor, Seikei University

研究テーマ:著者と語る『アデナウアー 現代ドイツを創った政治家』(中公新書)

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