2015年02月27日 12:00 〜 13:30 10階ホール
黒田東彦 日本銀行総裁 昼食会

会見メモ

日銀の黒田総裁が「原油価格と物価安定」と題して話し、記者の質問に答えた。
司会 伊藤芳明 日本記者クラブ理事長(毎日新聞) 実哲也 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)


会見リポート

2%物価目標へ「本気」 不退転の「黒田ロケット」

清水 真人 (日本経済新聞編集委員)

日銀総裁に就任後は初登場だ。前半は過去の総裁の慣例に倣って用意した原稿を読み上げた。後半の質疑では慎重に言葉を選びながら、一つ一つの問いに時間をかけて説明を尽くそうとする姿勢をのぞかせたが、強気は一切崩さなかった。

 

古巣の財務省のある幹部が「天才肌の勝負師」とも評する黒田氏。安倍政権が2%の物価上昇率目標を急がない姿勢も見せ始め、日銀内からも懐疑的な議論が漏れる微妙な環境にある。それでも2%目標の早期実現に向けた「本気」を力説した。

 

2%目標は世界標準だとしたうえで、固着した長年のデフレマインドの転換を求められる日本では「米欧より『期限』の要素が重要になる」「人々の期待を変えるだけの『速度と勢い』が必要だ」と異次元の量的・質的金融緩和の必然を説いた。

 

昨年10月の追加緩和も原油価格の下落への対応より、デフレマインド転換が揺らぐリスクを払拭するため、日銀の「本気」を見せつける目的があったし、必要なら迷わず動くと強調した。俗に言う「黒田バズーカ」を超えて「ロケットが強力な地球の引力圏から離れる時のように、大きな推進力が必要だ」と不退転の「黒田ロケット」を宣言した。

 

2月12日の経済財政諮問会議では、国際場裏での議論の潮流も踏まえて財政健全化への取り組みを求めた黒田発言の大半が、公表された議事要旨から消えた。すわ、首相官邸とのすき間風か、などとあらぬ臆測も呼んだばかりだった。

 

27日は「プライマリーバランス(基礎的財政収支=PB)の黒字化が第一歩で、その実現を通じて債務残高の対GDP比を下げていく」とし、既定路線のPB「黒字化」目標と、その達成後まで見据えた手順を崩さないよう政府に求めた。

 

ゲストブックにはやや逡巡しつつ「有言実行」と記した。これが紹介されると、会見場は小さく沸いたが、誰よりあっけらかんと「アハハハハ」と呵々大笑したのは本人だった。


ゲスト / Guest

  • 黒田東彦 / Haruhiko Kuroda

    日本 / Japan

    日本銀行総裁 / Governor, Bank of Japan (BOJ)

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