2014年03月06日 14:00 〜 15:30 10階ホール
研究会「集団的自衛権を考える」 2 阪田雅裕 元内閣法制局長官

会見メモ

元内閣法制局長の阪田雅裕氏が、憲法からとらえた「集団的自衛権」についての考えを述べ、記者の質問に答えた。

司会 星浩 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)


会見リポート

「法の番人」としての矜持 行使容認の動きに警鐘

豊田 洋一 (東京新聞・中日新聞論説委員)

司会者の冒頭発言のように、内閣法制局がこれほどまで世間の耳目を集めたことは、かつてなかったのではないか。きっかけは「集団的自衛権の行使」容認を目指す安倍晋三首相の再登板だ。


政府は集団的自衛権について、有しているが、憲法上行使できないとの解釈を長年、堅持してきた。その役割を担ったのが内閣法制局である。


安倍首相には、それが面白くないらしい。法制局長官に行使容認派とされる元外務官僚を起用し、私的諮問機関に行使容認に向けた報告書を作らせるなど、「解釈改憲」に向けた動きを着々と進めている。法制局には、かつてない圧力だろう。


阪田氏は、行使が認められれば「自衛隊が海外で外国の人を傷つけることも起こり得る」と警鐘を鳴らし、憲法解釈の変更についても「一内閣の判断で変えていいのか」「国の大事な政策転換であり、本当に必要なら、憲法改正手続きをして国民投票で賛否を問うべきだ」と手厳しい。


法制局を「吹けば飛ぶような役所」と謙遜した阪田氏だが、会見での毅然とした発言は「法律の専門家集団」としての矜持を失わないようにとの、後輩へのエールにも聞こえた。


ゲスト / Guest

  • 阪田雅裕 / Masahiro Sakata

    日本 / Japan

    元内閣法制局長官 / Former Director-General of Cabinet Legislative Bureau

研究テーマ:集団的自衛権を考える

研究会回数:0

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