2014年02月21日 16:00 〜 17:30 10階ホール
研究会「集団的自衛権を考える」1 北岡伸一 国際大学学長

会見メモ

同研究会の初回ゲストとして、国際大学の北岡伸一学長が、安全保障論議の現状や「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の論点などについて話し、記者の質問に答えた。

司会 勝股秀通 日本記者クラブ企画委員(読売新聞)


会見リポート

集団的自衛権の行使 「5つの要件」を課して

勝股 秀通 (企画委員 読売新聞調査研究本部主任研究員)

集団的自衛権の行使を可能にする政府の憲法解釈の見直しは、日本の安全保障政策の方向性を定める大きな一歩となる。これまで、常に議論をリードしてきた北岡氏を「ミスター集団的自衛権」と紹介したところ、「行使には慎重であるべき。憲法解釈の見直しは、普通の平和国家を目指すささやかな数歩です」との返事が戻ってきた。


政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の座長代理として、「理解を得るためなら、どこへでも説明に行きますよ」と低姿勢だが、会見前には、「揚げ足ばかり取られる」との本音も……。


見直し反対派が持ち出す「いつか来た道」論については、「戦前の日本は、地理的膨張への欲求が強く、周辺国や国際社会を軽視し、言論の自由もなかった。いまの日本には何ひとつ当てはまらない」と切り捨て、「それが当てはまるのは、別の国ではないですか」との解釈までつけた。どこの国を指しているのか、会場に詰めかけた誰もがすぐさま思い浮かんだようだ。


会見は終始一貫して、行使には慎重で抑制的であるべきとの立場だった。密接な関係国への攻撃、日本の安全に大きな影響、当該国からの明確な要請など、行使には5つの要件を課すべきだと言い切る。


安全保障論議はイデオロギー対立に陥りやすく、相手の意見に聞く耳を持たないと言われる。それを払拭するには、今回が最後のチャンスかもしれないと感じた。


ゲスト / Guest

  • 北岡伸一 / Shinichi Kitaoka

    日本 / Japan

    国際大学学長 / President of International University of Japan

研究テーマ:集団的自衛権を考える

研究会回数:1

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