2022年09月15日 16:15 〜 17:45 9階会見場
紀藤正樹・リンク総合法律事務所所長、弁護士 会見

会見メモ

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題に取り組む紀藤正樹弁護士が登壇。宗教と政治の関係、カルト団体に対して政治、社会はどう対処すべきなのか、この間の報道をどのように見てきたのかなどについて話した。

 

司会 佐藤千矢子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)

 

※YouTubeでのアーカイブ配信は行いません。


会見リポート

「2世問題」の解決が急務

栂崎 友里 (TBSテレビ社会部)

 安倍元首相が銃撃された事件を機に再び注目されている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる様々な問題。

 旧統一教会の問題を長年追及し、被害者救済に取り組んできた紀藤弁護士は「行政のメスも、警察のメスも入らず、この30年間放置されたことが、今回の事件の顛末」と述べた。

 問題が1980年代に取沙汰されて以降、教団系の企業が摘発されたことはあったが、教団本部の家宅捜索までは行われなかった。紀藤弁護士は「真似てやったところは摘発されたのに、統一教会だけが摘発されていないというのは、どう考えても異常だ」と話した。

 また、問題解決に向けて立ち上がった関係省庁連絡会議に、本来入るべき関係省庁が入っていないことは問題だと指摘。「文科省や厚労省が入っていないことは論外である」とし、「国税庁や文化庁宗務課などが参加して省庁横断的に検討する場を超党派で作っていく必要がある」とした。

 紀藤氏の訴えで印象的だったのは、2世問題解決が急務であるということだ。霊感商法については金銭的な問題であり、国が救済処置をとれば時間がかかったとしても、なんとかできるかもしれない。しかし、2世と呼ばれる子どもたちの人生をやり直させることはできない。そのため2世問題はこの1年以内、1年でも長いかもしれないとして、早急に決着をつけるために努力していきたいと述べた。

 会見の最後に「正義」という言葉について触れた。正義=ジャスティスはジャストという言葉が由来しており、正義とはすべての人に対し、調整されたバランスを示すとしたうえで、被害者の立場で解決に取り組むのはもちろんのこと、「日本のカルトができるだけ少なくなるほうが、日本にとってよくなるのではないかという思いをもって、頑張っていく」とした。


ゲスト / Guest

  • 紀藤正樹 / Masaki KITO

    リンク総合法律事務所所長、弁護士 / LINK LAW OFFICE Kito and Partners, Attorney at law

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