2020年03月19日 15:30 〜 16:30 10階ホール
平田麻莉・フリーランス協会代表理事 会見

会見メモ

新型コロナウイルスを巡る政府の所得補償においてフリーランスへの支援が不足していることが問題として指摘される。

平田麻莉・プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事が登壇し、政府支援策への受け止めや所得補償をはじめとする救済策のあり方について話した。

平田代表理事は、政府の支援策について「最悪の事態は回避できた」と評価する一方、政府が大型イベントの自粛を求めている点については、対象となるイベントの定義があいまいで「あらゆるイベントの自粛につながっている」「経済が死にかねない」と訴えた。

 

フリーランス協会は、独立してフリーランスとして働く人や企業に属しながらキャリアを複線で築くパラレルワーカーの有志が主体となり2017年1月に設立された。キャリア支援や政策提言などの活動を展開している。

 

司会 竹田忠 日本記者クラブ企画委員(NHK)

 

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会


会見リポート

「最悪の事態は回避できた」と支援策評価/今後は「働き方の環境整備を」

石田 敦子 (毎日放送東京支社報道部次長)

 ここ数年で働き方の多様化が急速に進む中、「フリーランス」のセーフティーネットについて議論が始まったのはごく最近のこと。その矢先に発生した新型コロナウイルスによって、制度作りよりも先に支援策が必要となってしまった。しかし一口にフリーランスと言っても職種や就労時間、形態はさまざまで、大打撃を受けている人もいれば、ほとんど影響を受けていない人も多く、平田氏も支援策の設計にはジレンマが多いと話す。

 今回影響を受けているフリーランスを大まかに3つに分けると、A「単発仕事のキャンセルや顧客減少で売り上げが減少した(イベント関連や宿泊業など)」、B「子どもの預け先がなく働けない(小学校低学年、未就学児の保護者)」、C「休業状態にあり、再開目途がたたない(ライブハウス、フィットネスクラブなど)」となる。

 Aに関しては「新型コロナウイルス感染症特別貸付制度」で実質無利子無担保で3000万円まで借り入れ可能措置が、Bについては「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金」で日額4100円を支給、Cは「緊急小口資金等の特例貸付」で実質的給付となる20万円以内の貸付が行われることになった。平田氏はこれらの支援について、取り急ぎ最悪の事態は回避できたと評価しており、今後は自粛対象の定義や自粛エリアの限定などによる経済活動の再開や、休業が続く職種への給付型支援などの検討を求めている。しかし、3月19日夜の専門家会議の発表では今後爆発的な感染拡大の可能性も示唆され、依然先行きは不透明だ。

 新型コロナウイルスによってあぶり出された課題は多すぎるほどだが、平田氏は「これを機にフリーランスが働きやすい環境整備が進むことを願っている」と結んだ。自分に合った働き方を安心して選べる未来を目指して、ピンチをチャンスに変えようとする気概が伝わってきた。


ゲスト / Guest

  • 平田麻莉 / Mari Hirata

    日本 / Japan

    一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会代表理事

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