会見リポート
2018年01月22日
14:00 〜 15:30
10階ホール
「2018年経済見通し」(6)最近の世界経済の動向―マクロ経済・金融を中心に 渡辺博史 国際通貨研究所理事長
会見メモ
会見リポート
米減税、中低所得者に恩恵なく
川北 隆雄 (東京新聞出身)
財務省で国際経済を担当する財務官の経験者。欧亜米の時事漫画を提示しながら、ユーモアを交えて世界経済を分かりやすく解説した。
米トランプ政権が「最大の成果」と強調する税制改革は「実は、中身は大したことはない」とばっさり。米企業は海外で稼いで米国に税金を落とさないケースが多かったが、法人減税で米企業の一部は米国に戻り、税収増が期待される。しかし、渡辺氏は「金の動きがちょっと変わる程度」との評価だ。個人所得税は、トランプ氏に投票した中低所得者にはあまり恩恵がないという。
中国の一帯一路構想には、「グローバルなチャイナ・ドリームだが、刺激的過ぎるし、やや怪しげ。欧州諸国も今は警戒心を強めている」と評価は微妙。それより最大の問題は不良債権だと指摘。「銀行貸し出し、シャドーバンキングなど合わせて1600兆円の残高があり、どれくらい腐っているか。10%とすると、GDPの15%くらいになる」。それが世界経済にどう影響するか。
ゲスト / Guest
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渡辺博史 / Hiroshi Watanabe
国際通貨研究所理事長 / President, The Institute for International Monetary Affairs (IIMA)
研究テーマ:2018年経済見通し
研究会回数:6