会見リポート
1990年02月23日
00:00 〜 00:00
10階ホール
リチャード・チェイニー・アメリカ国防長官
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会見リポート
フィリピン、韓国を経て、国防長官として初来日した。冒頭、「私は平和の使者として来たのではない。強力な同盟者として来日した」。
ソ連・東欧の変化を歓迎しながらもこうした国々の民主化はまだ完了していない。核を含む膨大な軍事力が依然として保持されているなどの点をあげて、「戦後の安全保障体制の解体を正当化するものではない。米国の対アジア戦略のカギは、日米パートナーシップにあり、米国はアジアに関与し続けるつもりだ。これは米国の国益にかなうものであるとともに、アジアと世界の利益にかなうものである」。
前日の防衛首脳協議で提示した、在日米軍の削減案について、「穏やかな戦力の調整を考えているのであり、撤退の第一歩ではない」とし、前方展開戦略の堅持を強調した。「米国がアジアから撤退すれば、この地域に真空状態が生まれ、紛争が起きる恐れがある」。質問で具体的な削減案の内容をきかれたが、アジア地域で10%という数字をあげたままにとどまった。また、ヨーロッパでの兵力削減交渉が進んでいるが「アジアにはヨーロッパのような包括的な同盟構造がなく、太平洋における海軍の軍備管理には反対である」。
日本の防衛力については、「GNPが3%を超えればいきすぎで、アジア太平洋地域の不安定要因になる」と。
一方、日米の経済摩擦問題にも触れ、「貿易摩擦や貿易不均衡を放置すれば、両国にとって利害・関心のある他の分野にも波及するかもしれない。構造協議の成功を強く望んでいる」と述べ、貿易と防衛問題のリンクを改めて明確にした。
ゲスト / Guest
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リチャード・チェイニー / RICHARD CHENEY
国防長官 / Secretary of Defense
