2026年06月26日 13:00 〜 14:00 10階ホール
ラファエル・マリアーノ・グロッシ 国際原子力機関(IAEA)事務局長 会見

会見メモ

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシ事務局長が、訪日最終日に会見に臨んだ。

イラン情勢や北朝鮮の核をめぐる状況、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉やALPS処理水の海洋放出など、多くの質問に応じた。

グロッシ事務局長は、2019年12月にIAEA事務局長に就任。現在2期目。昨年11月に次期国連事務総長選に立候補した。

 

司会 半沢隆実 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

通訳 長井鞠子/森岡幹予 サイマル・インターナショナル

 

The video in the English version is here  here 

 


会見リポート

廃炉作業「順調という印象」

広江 滋規 (共同通信社科学部原子力報道室)

 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が6月23~26日に来日し、東京電力福島第1原発訪問後に会見した。グロッシ氏は廃炉作業について「順調という印象だ」と述べ、政府と東電が2051年までとする廃炉完了を前倒しできる可能性もあるとの見解を示した。

 事故から15年が過ぎた福島第1原発では今年6月、炉心溶融を起こした2号機の原子炉建屋上部にある使用済み燃料プールから燃料の取り出しが始まった。28年度までに615体を共用プールに移し、安定的に保管する計画だ。グロッシ氏は「かなり迅速に作業が進んでいる」と評価。23年8月に始まった処理水の海洋放出も「非常に成功している」と語った。

 グロッシ氏は、東電が燃料取り出しや処理水の放出で自信を深め、作業ペースが上がることで廃炉完了は「早まる可能性もある」と話した。

 だが「廃炉の本丸」とされる溶融核燃料(デブリ)は1~3号機に推計880㌧残り、取り出せたのは1㌘未満。昨年、デブリの本格取り出しが従来の30年代初頭から37年度以降に遅れる工程が公表された。また1~3号機の原子炉格納容器直上にあるコンクリート製のふたには、デブリに匹敵する高濃度の放射性物質が付着し課題は山積だ。

 やや楽観的ではないかと問われると、グロッシ氏は「(廃炉は)時間との競争ではない。重要なのは、作業を包括的で体系的な正しい方法で進めることだ」と強調した。

 イランの核関連施設への査察については、イラン側と専門家レベルで初期段階の協議を始めたことを明らかにした。

 グロッシ氏は、国連の次期事務総長に立候補している。「実際に機能する国連が必要だ。私はIAEAでの活動を通じて世界の指導者と関係を築いてきた。国際問題の解決に取り組む」と訴えた。


ゲスト / Guest

  • ラファエル・マリアーノ・グロッシ / Rafael Mariano GROSSI

    国際原子力機関(IAEA)事務局長 / Director General of the International Atomic Energy Agency

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