2022年11月18日 13:30 〜 14:30 10階ホール
高砂淳二・自然写真家 記者会見

会見メモ

世界的な写真賞である「Wildlife Photographer of the Year」(ロンドン自然史博物館主催)のNatural Artistry(自然芸術部門)で、日本人初の最優秀賞を受賞した高砂淳二さんが会見し、受賞作品やこれまでの仕事、自然への向き合い方などについて話した。

 

司会 早川由紀美 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)

 

公式サイト


会見リポート

自然の観察者、伝達者として

蒲 敏哉 (中日新聞出身、岩手県立大学教授)

 天空の雲の中にたたずむフラミンゴの群れ―。南米ボリビアのウユニ塩湖での写真からは、「地球上で生きるものすべての調和」というイメージが伝わってくる。

 高砂淳二さんは宇都宮大学工学部時代、オーストラリアで水中写真に魅了され「写真家を目指したい」と退学を申し出たが、担当教授から「ゼミで写真を発表すればいい」と慰留され卒業。雑誌「ダイビングワールド」のカメラマンを経てフリーになった。映画「グラン・ブルー」の主人公のモデルとなったフリーダイバー、ジャック・マイヨールと親交を深め国内外の海に同行。視点を自然界全般に移し、ハワイでは夜空に浮かぶ虹をテーマにしてきた。

 世界最高の自然写真家賞を受賞する道筋の中で、カナダのアザラシの赤ちゃんが、流氷の消失で溺れ死に、南の海のコアホウドリのひなたちが、エサと間違って親鳥から海洋プラスチックを与えられ、死んでいく実態を知ったという。「素晴らしい自然を求め世界中を旅する写真家は、観察者であり、メッセンジャーとしての役割を担っている」と強調した。環境NPOの役員として長崎県・対馬や千葉県房総半島沿岸などのプラゴミ清掃にも取り組んでいる。

 会見は、地球温暖化対策を協議する国連の気候変動枠組み条約第27回締約国会議の真っ最中。ロシアのウクライナ侵攻の中、先進国と途上国の対立が深まる状況に「戦争は気候変動、地球への最大の脅威。人間には人にも自然や生き物にも共感する能力がある。いじめの問題からはじまって、殺し合いなんてとんでもないと身近なところから人間の意識を高めていくことが重要」と訴えた。

 宮城県石巻市出身の高砂さんは、東日本大震災で実家を失い、お母さんは兄の住む宇都宮市に住む。「おふくろには喜んでもらえたかな」とほほえんでいた。


ゲスト / Guest

  • 高砂淳二 / Junji TAKASAGO

    自然写真家 / Photographer

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