2019年11月15日 10:30 〜 11:30 10階ホール
「オリンピック・パラリンピックと社会」(3) 武藤敏郎・東京2020組織委員会事務総長

会見メモ

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の武藤敏郎事務総長が、来年に向けての準備状況や課題などを話した。

 

司会 森田景史 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)


会見リポート

札幌開催「プロセス甚だ問題」/東京大会は転換点となるか

杜 雲翼 (日本テレビ報道局社会部(東京五輪・パラ担当))

  2019年10月、国際オリンピック委員会(IOC)が、東京五輪のマラソン・競歩の札幌開催を発表した。武藤事務総長は一連を振り返り、「結論はやむを得なかった」とする一方、「プロセスにおいては甚だ問題があった」と話した。競技会場(のみならず、メダルのデザインなど、大会に関係する事項のほとんど)は、IOCが決定権を持つが、これまでは組織委員会が検討・決定した案を示し、IOCはそれを承認する、とのプロセスで進められてきた。ところが今回はIOCからのトップダウンだった。「明らかに異例だ」武藤事務総長は語気を強めた。

 札幌開催は決定だとするIOCと、抵抗を強める東京都。実務者協議の両者間で折衝を行ったのが武藤事務総長だった。調整は深夜に及び、結果、一定の到達点をみた。11月1日、IOCなどとの四者協議で東京都の小池知事は「合意なき決定」と称したものの、札幌開催が決まった。小池知事は、そもそもなぜ暑い7~8月に開催するのか? との質問も投げかけた。武藤事務総長は「素朴だが重要な問題」と評した。

 近代五輪は時代時代に応じて形を変えながら継続してきた。特に1984年のロス五輪以降は商業化が進み、主収入をスポンサーシップと放映権料に依拠、世界最大のイベントとなった。一方、費用は肥大化し、近年、招致レースに加わる都市は減少。これに対しIOCのバッハ会長は改革プラン「アジェンダ2020」を策定、開催都市外(場合によっては国外)での競技実施などを認めてきた。そうした中で、今回の一連の経緯は、今後の大会の姿を考える上で、一つの転換点となるように思えた。

 武藤事務総長は、大会の最大のキーワードに「共生」を掲げた。多様性と調和、ダイバーシティ&インクルージョン。大会を契機に人々の心に「共生」を根付かせていきたい―そう強調した。

 


ゲスト / Guest

  • 武藤敏郎 / Toshiro Muto

    日本 / Japan

    東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長 / director-general (CEO), The Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games

研究テーマ:オリンピック・パラリンピックと社会

研究会回数:3

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