2019年06月21日 13:30 〜 15:00 10階ホール
浅川雅嗣・財務省財務官 会見

会見メモ

浅川雅嗣・財務省財務官が登壇し、6月8~9日に福岡市で開かれたG20財務大臣・中央銀行総裁会議の結果について総括した。

 

司会 藤井彰夫 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)

 


会見リポート

協調の難易度増したG20

藤井 彰夫 (企画委員 日本経済新聞社上級論説委員兼編集委員)

 米国の利下げ観測が広がり、為替市場で円高が急進行。夕方には日銀、金融庁と市場動向を緊急に協議する3者会合を控えるなかでの日本記者クラブでの会見だった。

 浅川氏は市場動向について「ベースは米国経済の先行きがどうなるか」としたうえで、「結果としてファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から説明できない動きがあれば懸念を持たざるを得ない。市場を凝視している」と述べた。

 為替政策の責任者で「通貨マフィア」と呼ばれる財務官は24時間気の抜けない仕事だ。相場が急変動すれば最終的には為替介入も含め即座に対応を決断しなければならない。

 2015年7月に就任した浅川氏の在任期間は丸4年。現日銀総裁の黒田東彦氏を抜き歴代最長(今年7月に退任)。

 この日の主要テーマは6月8~9日に福岡で開いた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の総括。G20会議はもともと金融危機の産物だ。新興国通貨危機をきっかけに1999年に財務相・中央銀行総裁会議として発足、08年のリーマン危機後は首脳会議に格上げされた。

 浅川氏が指摘したのは「危機モードと平時モード」のG20の違いだ。危機時は財政出動と金融緩和などマクロ政策協調になるので各国が一致して行動をとりやすい。ところが平時にはミクロの構造政策が課題になり、各国の個別性が強くなり「政策協調の難易度はあがる」。

 その中で浅川氏が長年取り組んできた国際課税問題では福岡のG20会議で一定の成果を得た。GAFAなど巨大IT企業へのデジタル課税の新ルールで20年中に最終合意することを確認したのだ。各国の調整は難航したが「国家主権に関わる課税で協調に動くのは画期的」と言う。

 記者クラブへのメッセージは「温厚篤実」。何があっても怒らない。この冷静さが4年に及んだ激務を支えたのだろう。


ゲスト / Guest

  • 浅川雅嗣 / Masatsugu Asakawa

    日本 / Japan

    財務省財務官 / Vice Minister of Finance for International Affairs,The Ministry of Finance

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