2019年07月01日 14:00 〜 15:00 10階ホール
ムランボ・ヌクカ国連女性機関(UN Women)事務局長 会見

会見メモ

国連女性機関(UN Women)のムランボ・ヌクカ事務局長が会見し、女性の社会進出の現状について話した。

 

司会 小川記代子 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)

通訳 大野理恵(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

「男女平等まで200年」と警鐘

本間 麻衣 (共同通信社外信部)

 男女が平等な社会を実現するには、男性も声を上げなければいけない―。女性だけの問題ではないという強いメッセージを、会見を通して発信した。

 統計によると、世界で女性が議員に占める割合は25%、閣僚は18%にしかすぎず、国家元首が女性である国は7%に満たないという。「そもそもさまざまな意思決定の場で女性がきちんと代表されていないのが問題だ」と述べ、政界だけではなく産業界や社会にも広く共通すると指摘した。

 女性やジェンダー差別に関する法律を制定している国も多いが、女性に対する暴力、相続や職業の男女分離、男女間の賃金格差、産休や育休を取得することに関しての差別的な制度など解決するべき問題は多く「法律だけがあっても仕方がない」と強調し、「このままの遅い速度では、男女が平等になるまで200年かかるという話がある。変えないといけない」と強い危機感を示した。

 日本では、安倍晋三首相が女性活躍推進を掲げ、女性の登用を進める民間企業も増えている。しかし、日本の国会に占める女性議員の割合は世界平均を下回っているのが現状だ。「男女共に代表されることが各政党で重要だ」と述べ、選挙への立候補段階ですでに女性の数が少ないことも一因にあるとして、政党が対応を取るべきだとも指摘した。

 男女の平等は、女性が権利を主張するだけでは解決できず、社会全体の意識改革が必要だ。「世界中の問題について男性こそが答えを持っているという思い込みや前提からして変えていかないといけない」と訴えた。

 記者会見は、世界各国の女性政治指導者による国際会議や大阪市で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)など一連の日程の締めくくりとして行われた。


ゲスト / Guest

  • ムランボ・ヌクカ / Phumzile Mlambo-Ngcuka

    国連 / UN

    国連女性機関(UN Women)事務局長 / Executive Director of UN Women

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