2019年06月07日 14:00 〜 15:00 10階ホール
「日本の労働を誰が支えるのか」(10)なぜ在留外国人基本法が必要なのか-外国人材の受入れに関する円卓会議の提言

会見メモ

政府が外国人労働者の受け入れ拡大を進める中、外国人材をどう位置づけ、どのような権利を保障するのか。総合的な「在留外国人基本法」の制定が急務だとする提言をまとめた「外国人材の受入れに関する円卓会議」のメンバーに、日本の将来ビジョンと基本法が求めるものについて聞いた。

外国人材の受入れに関する円卓会議「外国人とともに創る日本の未来ビジョン」及び「在留外国人基本法」の提言(pdf)

 

司会 竹田忠 日本記者クラブ企画委員(NHK)

 

写真左から舟久保利明、國松孝次、大河原昭夫、毛受敏浩の各氏


会見リポート

30年の政策空白に終止符を

林 真奈美 (読売新聞社調査研究本部主任研究員)

 人口減少が加速する中、一過性の人手不足対策ではなく、外国人を社会の一員として受け入れ、日本の活力としていく必要がある――。円卓会議のメンバーからは、定住を前提とした受け入れ基盤整備への強い思いが伝わってきた。

 円卓会議は、日本国際交流センターが政財界や自治体、NGO、在留外国人などの代表者に呼びかけて発足させた。外国人の受け入れと定着の在り方を中長期的視点から議論し、とりまとめたのが、「未来ビジョン」と「在留外国人基本法」の提言だ。

 平成の間に在留外国人は98万人から273万人まで増え、多国籍化が進んだ。一方、政府は「移民政策はとらない」として、対応は自治体やNPOに丸投げだった。「30年間の政策不在」である。その結果、日本語も母国語も不十分なまま大人になる人が増えるなど、問題が複雑化していると、毛受氏は指摘する。

 こうした現状認識から、ビジョンは包括的な統合政策の必要性を強調。「外国人庁」の創設と、地域および企業での環境整備も求めた。

 「基本法」は、統合政策を法的に裏付けるもので、人権保障や差別禁止を掲げるとともに、国や自治体、企業の責務を明記した。

 「外国人の力を借りて活力ある社会を再生できるかどうか、今が境目」(毛受氏)。「中小企業で一番必要とされているのは熟練工。5年で帰るのでは意味がない」(舟久保氏)。「日本人と一緒に生活できる環境を整えなければ、治安問題に転化する」(國松氏)。提言につながるそれぞれの言葉には説得力がある。

 4月に始まった新たな在留資格による外国人就労の拡大を、政府は「移民政策ではない」と言い募り、受け入れの理念や基本方針はあいまいにしている。円卓会議の立場との隔たりは大きい。日本の将来に外国人をどう位置づけていくのか。国民的議論の活性化へ、メディアの責任は重いと感じた。

 


ゲスト / Guest

  • 大河原昭夫

    外国人材の受入れに関する円卓会議共同議長

  • 國松孝次

    外国人材の受入れに関する円卓会議共同議長

  • 舟久保利明

    外国人材の受入れに関する円卓会議メンバー

  • 毛受敏浩

    外国人材の受入れに関する円卓会議事務局長

研究テーマ:日本の労働を誰が支えるのか

研究会回数:10

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