2018年05月17日 14:30 〜 15:30 9階会見場
水鳥真美 国連事務総長特別代表(防災担当)会見

会見メモ

今年3月の就任後初来日。日本では広く浸透している災害発生前の備えの重要性は、「まだ世界の常識ではない」という。NGOや科学者などのステークホルダーとともに意識改革を行ない、世界の人々の行動に結びつけるのが自身が代表を務めるUNISDR(国連国際防災戦略事務局)の役目であるとも。

 

司会 小栗泉 日本記者クラブ企画委員(日本テレビ)


会見リポート

日本の震災経験伝え、世界に貢献

 外務省で安全保障政策課長、国連政策課長などを歴任した水鳥真美氏が、今年3月に防災担当の国連事務総長特別代表に就任後、初来日した。

 同省を2010年に退官後、日本文化を研究する英国のセインズベリー日本芸術研究所で統括役所長を務めていたが、「もう一度、機会があれば公の仕事がしたい」という希望がかなった。「国際防災は日本が主導的な役割を果たせる課題」というグテレス国連事務総長の期待も感じている。

 水鳥氏の役割は、「事前の備えが重要ということを世界の常識にする」こと。2000年に設立された国連国際防災戦略事務局(UNISDR、本部スイス・ジュネーブ)のトップとして、各国に散らばる職員約120人を率いる。

 水鳥氏によると、「社会のすべての層に防災への意識が行き渡っている」日本に対し、欧米を中心に諸外国の防災意識は高くなかったという。しかし2004年のスマトラ島沖地震によるインド洋沿岸の津波災害で、欧米からの観光客も数多く被害に遭い、災害に備える意識が高まっている。

 2015年に仙台市で開かれた第3回国連世界防災会議は、2030年まで国連加盟国が目標とする「仙台防災枠組」を採択。死者数、被災者数、インフラ・基本的サービスなどの損失を減らすことなど、七つの目標を掲げる。この推進がUNISDRの大きな仕事だ。就任後に訪れたニューヨークの国連本部では、「自分の言葉で、日本人として、日本の経験を語りなさい。それが人々の心に通じる」と副事務総長から助言を受けた。

 2年後に迫った東京五輪・パラリンピックは、「復興五輪」をうたう。海外から多くの選手、観客を迎える時、震災の経験と復興の現状をどう伝えるかは、日本人一人ひとりの課題でもある。国際経験豊かな水鳥氏がどう発信し、世界の行動にどうつなげていくか。手腕に注目していきたい。


読売新聞東京本社国際部記者  杉野謙太郎

ゲスト / Guest

  • 水鳥真美 / Mami Mizutori

    日本 / Japan

    国連事務総長特別代表(防災担当)兼国連国際防災戦略事務局 (UNISDR) ヘッド / Special Representative of the United Nations Secretary-General (SRSG) for Disaster Risk Reduction

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