2017年03月09日 14:30 〜 15:15 10階ホール
マデン新英国大使 会見

会見メモ

25年ぶりの日本勤務。「新しいビルが多く建設されたが、昼の定食は千円のままです」と日本語で笑わせた。Brexitで進出日本企業の不安は大きい。EU離脱後、各国との自由貿易協定交渉で「日本が優先されることは想定できる」と英外交官らしい慎重な表現。

 

司会 福本容子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)

通訳 宇尾真理子(サイマル・インターナショナル)

冒頭スピーチのテキスト(日本語 pdf)


会見リポート

EU離脱の不安払しょく

メイ英首相が方針を明言した欧州連合(EU)離脱の正式通告を月内に控え、大使は記者会見で、離脱に伴う悪影響、特に日本企業のビジネス面における不安の払しょくに努めた。もちろん、大使がいくら懸命に訴えたとしても、これまで前例のないEU加盟国の離脱という「不確実性」がもたらす懸念が、完全にぬぐい去られることはないだろう。ただ、外交や安全保障だけでなく、国際貿易分野のエキスパートとして「対日関係では特にビジネス支援を重視する」という言葉からは、並々ならぬ決意がにじみ出ていた。

 

会見では、EU離脱決定の背景や、離脱後に各国と締結を目指す自由貿易協定(FTA)の見通しなどで質問が寄せられた。英国内で移民排斥傾向の高まりが懸念される中で、大使は「英国人の8人に1人が外国生まれ。異なる民族的出自の人や移民に背を向けているわけではない」と説明し、「英国社会は調和という面で完璧ではないかもしれないが、世界でも最も寛容で調和の取れた社会の1つだ」と誇った。また、日本との新たなFTA交渉については「日本の経済規模や両国間の強い関係を考えれば、優先的に行う」と強調し、今後も日英両国の結び付きを強めていく必要性を指摘した。

 

大使が日本への関心を深めたのは、1982年に開かれて見事優勝した日本外務省主催のエッセイ・コンテストとのこと。88年からは初の海外 勤務として在日英大使館に4年間勤務し、「当時の日本はバブル真っただ中で、平成が始まるなどたくさんの思い出がある」と振り返った。会見冒頭では、ロンドン大で学んだ日本語も駆使して抱負を読み上げ、親日家ぶりを存分にアピールした。離脱を受けて過渡期にある日英関係の強化に向けた援軍としては、これ以上ない人材ではないだろうか。


時事通信社外信部 鈴木 克彦

ゲスト / Guest

  • ポール・マデン / Paul Madden CMG

    イギリス / UK

    駐日英国大使 / Ambassador

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