2016年11月10日 14:00 〜 15:00 9階会見場
「LGBTと社会」④性的マイノリティのお金・暮らし・老後  永易至文 行政書士 

会見メモ

LGBTと社会 (4)

90年代、自分の性的傾向を誇りを持って受け入れた「ゲイ1期生の50歳」と自己紹介。ライター、行政書士、NPO事務局長として、高齢期を迎えるLGBTの病気、介護、相続など老後の課題に取り組んでいる。「足下を見つめ、今できることをやるしかない」
司会 宮田一雄 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)


会見リポート

老後の来ない性的マイノリティはいない

2013年に発足した特定非営利活動法人パープル・ハンズは「性的マイノリティの老後を考え、つながるNPO」だという。その事務局長。「ゲイの暮らしや老後を追う編集者/ライター」「暮らしをサポートする行政書士、ファイナンシャル・プランナー」と自己紹介した。

 

自治体のパートナー証明が報道で大きく取り上げられ、ダイバーシティ(多様性)を重視して性的マイノリティに理解を示す企業も増えている。自らの性的指向や性自認に誇りを持つ各地のプライドパレードにもたくさんの人が参加する。そんな現状を「LGBTブーム?」と疑問符も付けて受け止める。最近の動きを歓迎しつつも、どこまで続くかという危うさも感じるからだ。

 

1990年代には「ゲイブームがあった」とも指摘する。メディアに同性愛の情報があふれ、各地に若者のサークルができて交流がさかんになった。永易さん自身も「誇りをもって自分を受け入れ、一生を生きたいと願った最初の世代(ゲイ1期生)」だと思っている。

 

しかし、90年代の若者も当然のことながら歳はとる。新たなLGBTブームの一方で「中年期に見えてくる人生不安、老後の暮らしにどう対応するのか」という課題に直面し、いま使える制度を生かしつつ、性的マイノリティのライフプランに取り組む活動を始めるようになった。

 

そのライフプラン作りのサポートとして「いまできることを知ろう(相談や講座、書籍)」「自己決定を書面で表明(医療意思表示や遺言などの普及)」「ネットワークで自分を守ろう(かけつけあえる3人のご近所さん)」「外部環境の改善(介護、高齢者福祉関係者、エイズ拠点病院などへの働きかけ)」を提唱する。

 

そして、「血縁家族」との対比で「結縁家族」という言葉を紹介し、「自ら家族を紡いでいく」という考え方も示した。性的マイノリティの課題は、もちろん性的マイノリティにとって重要だが、同時により大きな社会的広がりを持つものなのではないか。そんな可能性も感じさせる会見だった。


産経新聞特別記者 宮田 一雄

ゲスト / Guest

  • 永易至文 / Shibun Nagayasu

    日本 / Japan

    NPO法人パープル・ハンズ事務局長・行政書士 / secretary general, NPO Purple Hands

研究テーマ:LGBTと社会

研究会回数:4

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