2015年07月01日 15:00 〜 16:30 10階ホール
「戦後70年 語る・問う」23 行天豊雄 国際通貨研究所理事長(元大蔵省財務官)

会見メモ

大蔵省財務官などを務めた行天氏が「通貨と日本経済」をテーマに話し、記者の質問に答えた。


会見リポート

米ドル一極体制に挑戦する中国

川北 隆雄 (東京新聞出身)

旧大蔵省で国際金融問題の最高責任者である財務官を務め、「国際通貨マフィア」の一員として知られる。第一線を退いた現在でも、メディアを通じた発言などで、影響力を保持する。

 

国際金融情勢を揺るがすギリシャ問題については、「ギリシャは(ユーロ圏の)政策金利統一のおかげで、かなり低金利で資金調達でき、楽になったので、税でも社会保障でも甘くなった」と手厳しい。とはいえ、「ユーロ離脱のコストが高いことは、(ギリシャも)分かっているはずなので……」と述べ、混乱回避への期待をにじませた。

 

世界第2の経済大国である中国については、「米ドル一極支配的な体制を、何とか変えたいという非常に強い意図を持っている」として、貿易取引の人民元化、元建て債発行など人民元の国際化、交換性付与、金利自由化などの例を挙げる。

 

中国が中心になってアジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立したのは、「自分たちが新しい国際的指導者の1人であることを証明するためだ」と言う。「それに参加するのは、そういう中国の国際的ステータスを受け入れることだ」とも。筋道立った話しぶりは現役時代と変わらない。


ゲスト / Guest

  • 行天豊雄 / Toyoo Gyohten

    日本 / Japan

    国際通貨研究所理事長(元大蔵省財務官) / President of the Institute for International Monetary Affairs

研究テーマ:戦後70年 語る・問う

研究会回数:23

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